東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の会長代行を務める遠藤利明元五輪相は5日、新型コロナウイルスの影響で来夏に延期された東京大会の開催可否の判断時期について、来年3月ごろとの考えを示した。自民党の会合で「来年3月ぐらいに代表選手が選考されているかどうかが大きな課題。その時の状況を見て、判断していかなければならない」と話した。

組織委幹部が開催可否の判断時期について発言したのは初めて。遠藤氏はかねて代表選手がそろわなければ、そもそも五輪が開催できないと説明。通例4~6月には各競技で五輪予選や代表選考会が立て込む時期で、国際大会が開ける状況になければ五輪本番も難しくなる。

開催判断の時期を巡っては、国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長が今年10月が重要な時期と発言。しかし、組織委がIOCに確認したところ、判断時期の期限はないと説明を受けるなど、臆測が広がる状況にあった。

4日には内閣官房オリパラ事務局が単独で論点整理した五輪簡素化案が「政府案」として表面化した。大会運営を担う組織委はIOCと協議し、順序立てて新型コロナ対策を検討していたが、まさかの横やりで開催への不安があおられる形に。さらにその生煮えともいえる内容に複数の組織委幹部は、あきれかえった。

遠藤氏は「来年の新型コロナの状況はまだ見えない。開催可否を論ずるのはまだ早い。コロナ対策をしっかり行った上で、安心安全な大会を運営したい」と冷静に語った。組織委は10日、IOC理事会で延期計画の進捗(しんちょく)状況を説明する。【三須一紀】