BMX中村輪夢、金メダルで「有名な競技にしたい」

  • デモンストレーションするBMXフリースタイル日本五輪代表・中村輪夢(撮影・上田博志)
  • デモンストレーションするBMXフリースタイル日本五輪代表・中村輪夢(撮影・上田博志)

日本自転車競技連盟(JCF)は9日、BMXフリースタイル・パークとレースの東京五輪代表4人を発表した。新種目となるフリースタイル・パーク男子の中村輪夢(りむ、18=ウイングアーク1st)は、岡山市内で記者会見に出席。金メダルに目標を設定した。サプライズで今春から環太平洋大(岡山市東区)へ進学したとも発表。昨年のW杯年間王者は、競技の認知度向上も担い、進む。

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高々と跳んだ中村が、着地後に白い歯を見せた。ジャンプ中に4つの技を組み合わせる「4コンボ」の一部始終を、テレビカメラ11台が一斉に追った。自然とわき出た拍手に包まれた男は「出るからには1番を目指して頑張る」と金メダルを誓い、さらに「BMXと聞いて『自転車のことかな?』ってみんなが思い浮かべるぐらい、有名な競技にしたいです」と宣言した。

前向きな言葉が次々に出る。偶然にも3年前のこの日、五輪新種目としてフリースタイル・パークの実施が決まった。当初は出場を目標としたが、昨年4月のW杯広島大会で日本人初の準優勝を果たすなど急成長。新型コロナウイルスで五輪が1年延期となり、発表時には「今年あった方が良かった」と思った。それでも気持ちを切り替えた。

「1年間で『延びて良かった』と思えるぐらい練習したい。経験も積んで、最高な2021年にしたい」

「輪夢(りむ)」の名前は、BMXショップを経営する父辰司さんが自転車の「リム」からとってつけた。コロナ禍でも1月に完成した京都の専用パークを活用し、1人で黙々と技を磨いた。この日、代表発表を担った全日本フリースタイルBMX連盟の出口智嗣理事長は「チームジャパンみんなに大きな拍手をあげたいと思います」と男泣き。関係者、ライバルの思いを18歳は一身に背負う。

「声援があった方がいいパフォーマンスができる。声援を受け、今までになかったような走りをしたい」

1年後の夏、熱狂の中心に立つイメージは出来上がっている。【松本航】

◆中村輪夢(なかむら・りむ)2002年(平14)2月9日、京都府生まれ。3歳からBMXを始め、5歳で大会初出場。17年からシニアに転向し、同年11月の第1回世界選手権7位。昨年はXゲーム初出場で2位。11月のW杯最終戦で初優勝し、初の年間王者に就いた。今春、環太平洋大の教育経営学科通信教育課程に入学。170センチ、62キロ。

○…報道陣は岡山市内の会場とオンラインで取材を行った。他競技に先駆けて行った公開練習。出口理事長は「やるべきか迷った。競技連盟として難しかった」とし、1~2週間前まで方法を熟考したという。会場には12社約30人が集い、検温や手の消毒を実施。写真撮影も「映える構図」より、選手間の距離確保が優先された。関係者は「BMXは認知度が低い。ショーの要素も強く、せっかくなので、華やかな場を用意したかった」と思いを込めた。