池江璃花子「ほぼ出る」五輪かかる日本選手権へ意欲

  • 女子100メートル自由形で4位となった池江(代表撮影)

<競泳:北島康介杯>◇第2日◇23日◇東京辰巳国際水泳場◇女子100メートル自由形決勝

白血病から復帰した池江璃花子(20=ルネサンス)が、東京オリンピック(五輪)代表選考を兼ねた日本選手権(4月3~10日、東京アクアティクスセンター)の出場資格を確実にした。

復帰3戦目で初めて個人の100メートル自由形に出て予選で56秒13、決勝は55秒35の4位。同選手権参加標準記録56秒53を突破した。同選手権の女子100メートル自由形は、五輪の個人2枠と400メートルリレーメンバー4枠の選考を兼ねる。

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ラスト25メートルで、泳ぎが鈍った。池江は「皆が前にいるので焦りというか、そういう気持ちが出てきて。体が少し固まった」。予選よりもタイムを上げて55秒35。しかし順位は昨年10月の日本学生選手権と同じ4位。「また4番かあ。すごく悔しかった」。表彰台を、0秒40差で逃した。

復帰後3戦目は個人で初の100メートル自由形。練習の手応えから54秒台を予想したが、練習と違うのはライバルの存在だ。「勝負の世界は甘くないな、と痛感しました」と潔く言った。

それでも日本選手権の参加資格は確実だ。参加標準記録56秒53をクリア。コロナ禍で1種目につき32人か40人の出場制限はあるが、池江の記録は20年の日本ランキング6位に相当する。体調が最優先でコロナ禍の状況も見極める必要があるが、池江は「ほぼ出ると思います」と意欲を示した。

日本選手権は東京五輪の代表選考を兼ねる。同種目は個人に加えて、400メートルリレーの4枠がかかる。東京五輪の出場意思を聞かれた池江は「今日のレースを泳いでみて(東京五輪の)チャンスがあるのかなあ」とぽつり。出場していないライバルがいる中で4位という結果に、リレーメンバー入りが簡単ではない現実を再認識。その上で「まずは勝負に対して、勝ち負けに、もう少しこだわっていかないといけない。練習中から東京五輪を目指すのではなく、目の前で泳いでいるチームメートに勝つ。細かいところに集中してやって、その先に結果がついてきてくれる」と慎重に口にした。

大目標は24年パリ五輪で東京五輪はその過程にあるもの。ただ挑戦権を得たことも事実だ。「レースに慣れていない自分がいる。周りの選手は『速い、すごい』といってくれるが、自分では理解しがたくて。これは速かったのか、よかったのか。もう少し自信をもって『速かったでしょ』といえるようにしたい」と、池江らしい負けん気の強さをのぞかせた。【益田一弘】

◆東京五輪の代表選考 4月の日本選手権決勝で、日本水連が定めた派遣標準記録を切って2位以内に入った選手が内定する。池江が出場した女子100メートル自由形は、個人種目2枠とリレーメンバー4枠の選考を兼ねる。派遣標準記録は個人が53秒31、リレーが54秒42。リレーは同記録をクリアして上位4人に入れば、リレーの代表に内定する。

<池江の経過>

19年2月4日 オーストラリア合宿中に疲労が抜けず現地で検査を受ける。

同8日 緊急帰国。白血病と診断されて入院。

4月8日 日大入学と同水泳部入部を発表。

同12月17日 退院を発表。「2024年のパリ五輪出場、メダル獲得という目標で頑張っていきたい」。

20年3月17日 406日ぶりにプールに入ったことをSNSで報告。

5月18日 短髪を初披露し「今のありのままの自分を見てもらいたい」。

7月2日 オンライン形式で練習を公開。10月の日本学生選手権でのレース復帰を目標に掲げた。

同4日 20歳になる。

同23日 国立競技場で、延期された東京五輪開幕1年前イベントに登場。真っ暗なスタジアムに純白の服で降り立ち、聖火のランタンを掲げた。「1年後、オリンピックやパラリンピックができる世界になっていたら、どんなにすてきだろうと思います」。

8月29日 1年7カ月ぶりにレース復帰。50メートル自由形で26秒32、全体の5位で涙。「第2の水泳人生の始まり」。日本学生選手権参加標準記録26秒86も突破。

10月1日 日本学生選手権女子50メートル自由形に出場。予選は25秒87で全体の6位通過。決勝は25秒62で4位に入った。

同2日 同選手権女子400メートルリレー予選で、体調不良の選手に代わって急きょ出場した。第3泳者として、100メートルを引き継ぎで56秒19。日大の決勝進出に貢献。

同24日 五輪会場の東京アクアティクスセンター完成披露式典に登場。デモンストレーションで50メートルを自由形で泳ぐ。「会場に着いて、プールを見た時『来年はここでオリンピックが開催されるんだな』という実感がわいてきました」。

21年1月10日 成人の日を迎える。「1人の新成人として、大人として、自覚を持って強い人間、そして強いアスリートになれるよう精進していきます」。

 

◆北島康介杯 五輪2大会連続2冠の北島氏が現役だった15年1月に第1回が開催。当初は東京都選手権に、冠がついて始まった。国内では異例の賞金大会で今大会は世界新100万円、日本新10万円、男女MVPに50万円ずつを設定。池江は18年11月の第5回大会で100メートル自由形の日本記録52秒79を樹立している。