山田稔(52=愛知)が先行職人の真骨頂を見せた。レースは赤板から早くも誘導員をかわし、自分のペースに持ち込んだ。

 人気の斎藤和也は「鐘3角から押さえて踏み出すつもりだった。でも、見られてしまって、どうにもならなかった」と山田マジックに翻弄(ほんろう)された。山田は「いつもは焦ってジャンから踏むけど、今日は落ち着いていけた。こういう駆け方が一番気持ちがいい」と52歳のベテランが、満足そうに汗を拭いた。