今年に入って、Gクラスの売り上げが好調だ。売り上げが多いと、現場(選手や関係者、もちろん私も)にも活気が出て、前向きな気持ちになる。

玉石混交のネット社会の中で、ファンの目は肥えている。今のいい流れを持続するためには、いい品物(レースや番組、あるいは情報、イベントなど)を提供することが王道。レースを作る選手は、ファンが喜ぶレースとは何か…を考えて取り組んでほしい。

政史、竜生、将太(左から)の三谷3兄弟が地元バンクで奮起を誓う(撮影・上田博志)
政史、竜生、将太(左から)の三谷3兄弟が地元バンクで奮起を誓う(撮影・上田博志)

今年の奈良G3は、地元兄弟選手が大挙参戦する。三谷3兄弟に中井兄弟。特に地元のエース、三谷竜生の活躍が売り上げを左右すると言っても過言ではない。

昨年前半の大スランプを克服したものの、今年に入り調子が良さそうには見えない。豊橋全日本選抜競輪も決勝には乗ったが、展開が向いたのが大きい(とはいっても並のS1選手より高いレベルではあるが)。

いいときの竜生は、仕掛けに迷いがない。位置取りもそうだし、カマすタイミングも同じことがいえる。ところが、先のG1では決勝しか、竜生らしさが見られなかった。その決勝も、位置を取って終わってしまった。

今節は4日間人気になるだろう。まずは初日12R、1番車をもらったので位置取りは有利に進められる。このバンクで安易に前を取ると、巻き返しは苦しくなる(本人が一番よく分かっているだろうが)。

今年に入ってからの竜生の調子を見る限り、好位を取ることが、好スタートを切る条件になると思う。(日刊スポーツ評論家)