脇本勇希の走りに成長を見た。初日特選は、志田龍星と吉田有希の前に出番なく終わったが、2予7Rの走りは厳しい展開をよくしのいだ。近況の好成績も納得できた。


ヤマコウが準決で注目する脇本勇希
ヤマコウが準決で注目する脇本勇希

これまでの勇希は兄(雄太)の強さに引っ張られ、割り増しで見てしまうところがあった。当然ながら中身が違うので兄のようなインパクトは残せない。

しかし、2予の走りは兄をほうふつさせる走りだった。太田竜馬の4番手を確保した後バックから仕掛ける。踏み出した瞬間、太田の3番手を回る坂本修一のブロックが入りスピードが止まった。そこからもう1度踏み直して勝った。兄をイメージさせるタテ足だった。

シッティングの踏み直しは、強力な体幹が必要となる。優れたトレーニングを取り入れないとできない。

兄とタイプは似ているが、脚力は違うので位置取りも考えている。これから大切なことは位置取りで負ける時もあるだろうが、それを恐れず「ヨコの基本」を覚えるまでやり切ることだ。位置取りを放棄して脚力任せのレースに戻ると成長が止まる。それで殻を破れない選手を何人も見てきた。

準決10R。さばける選手が多く、位置取りにこだわると危険なメンバーとなった。

彼のテーマは「兄からの脱却」だ。逆に先行する選手がいないなら駆けてもいい。偉大な兄や父を持つ選手は、比較されることも多く、本人像を作り上げることに腐心している。世間は安易にストーリーを作りたがるが、それに抗って「脇本勇希像」を作り上げてほしい。(日刊スポーツ評論家)