ファンのみなさま、お待たせしました。浅井康太(33=三重)がようやく今年初Vを飾った。KEIRINグランプリ2017(GP)は深谷知広の先行に乗った浅井が抜け出した。浅井のGP制覇は2年ぶり2回目。年間優勝ゼロでのGP制覇は11年、山口幸二以来2回目。

 GP制覇は2度目だ。笑って終わるつもりだった。しかし、我慢できなかった。表彰式での笑顔も中部勢の胴上げに感極まって、くしゃくしゃになった。

 今回の優勝は浅井康太にとっては「予定通り」。昨年はG1ごとに調整してレースに臨んだ。それでいながらGPはおろか、G1を1度も優勝できなかった。今年は違った。「同じことをやっても失敗する。今年は年頭からGPに照準を定めた」。すべてのレース、日々のトレーニングは年末を見据えてのものだった。

 今年のテーマは考えること。ひらめいたことをすぐ記せるようにノートを持ち歩き、食事のときも、寝るときも手放さなかった。そのノートは10冊を超えた。「こんな練習をしなさい、体をこう使えばいいと、神様が教えてくれる感じ」。能力を向上させるアイデアがどんどん沸いて出た。

 直前に盟友・深谷知広がぎっくり腰を発症するバッドニュース。GP前夜祭も欠席した。そのときも「大丈夫。一流選手はそんなことに影響されない」と信じ切っていた。

 レースも深谷が堂々と主導権を奪う。「掛かりも良かったし、そう簡単にはまくられない」。5月日本選手権決勝は深谷の番手絶好から3着。今度はしくじらなかった。インを突っ込んできた諸橋愛を軽くいなして、楽々と抜け出した。

 来年は1番車をまとう。「一番格好いい車番。それにふさわしいように進化し続けます」。今年、ファンをヒヤヒヤさせ続けた浅井。来年は信頼の軸になる。【村上正洋】

 ◆浅井康太(あさい・こうた)1984年(昭59)6月22日、三重県四日市市出身。三重県立朝明高校で自転車競技を始め、05年7月、90期生としてプロデビュー。11年7月寛仁親王牌、同年9月オールスターでG1制覇。15年にGP初制覇。通算成績は976戦318勝。獲得賞金9億6541万8333円。179センチ、77キロ。血液型O。