KEIRINグランプリ(GP、30日・立川)まであと5日。今年も年末恒例の「ザ・提言」を3回連載します。
日刊スポーツ評論家のミスター競輪こと中野浩一氏が、愛すべき競輪界に向けて忌憚(きたん)ない意見とともに、未来につながるメッセージを送ります。
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今のところ競輪界は、7車立てから9車立てに戻すことはないようだ。「経費をかけず、売り上げが伸びているから」だという。
その最たる例がミッドナイト競輪。無観客でネット投票のみだが、数字は伸びている。だが、私は素直に喜べない。中身が伴った売り上げだと思わないからだ。
今の競輪界は、本場に来て車券を買ってくれるファンを軽視し過ぎだ。最近はナイターのG1、G2も増やしているが、せっかく本場に足を運んでも発売窓口は少なく、ファンが1日観戦できるスタンドも、滞在できる場所も狭い。はっきり言って、本場のお客さんへの配慮がない。
野球、サッカー、大相撲…。現場に観客がいないことが当たり前というプロスポーツ、他にないだろ?
私が東京五輪の解説をしたとき、いろんな人に「自転車競技って、面白いんですね」と声をかけられた。全国各地に競輪場があるのに、五輪種目でもある競輪(ケイリン)を見たことがない人は多い。
プロスポーツとしての競輪がまずあって、その先にベット(賭け)があるというのが健全な姿。車券を買わなくても「競輪って面白い」と感じてもらうことがあって、その上での売り上げのはずだ。競輪場で生観戦する魅力と施策を、業界を挙げて考えていくべきだ。それこそが本当の競輪界の発展になる。
選手も同じだ。レースが面白くなるように考えて走ること。競輪は他の公営競技と違い、唯一の五輪種目。JKA、施行者、選手はプロスポーツとしてのプライドを持ってほしい。(日刊スポーツ評論家)





















