日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長(66)が、決断した。2日、東京・文京区のJFAハウスで緊急会見を開き、性加害疑惑を報じられた日本代表MF伊東純也(30=スタッド・ランス)の途中離脱を発表した。本人や森保監督、弁護士らの意見を取りまとめた上、サッカーが持つ影響力、スポンサーへの配慮や社会を取り巻く環境などを「総合的に判断」した。
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田嶋会長が、深々と頭を下げた。約20分間の緊急会見。終始、険しい表情ながら報道陣の質問に対して丁寧に答えた。「結論から言いますと、伊東純也選手がアジア杯で戦っている日本代表から離脱することとなりました」と切り出した。
前夜は伊東と直接、電話で話をしたという。「(最大で残り3戦へ)しっかり調整したい。自分はやりたい」と残留を希望する強い意思を確認した。その後、森保監督の意見も聞いた上で判断を留保。夜が明け、弁護士やJFAの職員とも話し合い、スポンサーの意見も聞き「離脱させた方が望ましい、と総合的に判断した」。最高責任者の田嶋会長が自ら最終決断した。
サッカーが日本社会に与える影響が、大きな判断材料となったとみられる。ジェンダー関係、性的トラブルが問題化している昨今。公益財団法人として、この事態を見過ごすわけにはいかなかった。「我々は、白か黒かを判断する立場ではない。伊東選手の案件とは全く関係ないとしても、我々は組織として、性暴力に対しては絶対反対の立場を取っています」と続けた。
また、スポンサーへの配慮も判断に影響した。キリンやアディダス、全日空など、大手企業がJFAの協賛企業として名を連ねており、8年総額510億円(推定)もの契約を結んでいる。司法では疑わしきは罰せずも、企業としては疑いだけでマイナス。イメージに悪影響を及ぼす可能性は否定できず「パートナーのことも判断に影響したのは事実」と隠さずに話した。
準々決勝直前というタイミングで、主軸の離脱。3大会ぶり5度目の優勝へ戦力面では大きなダメージを受ける。大会後も3月のW杯2次予選など招集の可否は流動的だ。その中でも、社会的に悪影響を与えるような事案に対しては厳正に対応せざるを得なかった。

