欧州王者レアル・マドリード(スペイン)が南米王者グレミオ(ブラジル)を1-0で下し、大会初の2連覇でバルセロナと並ぶ3度目の優勝を果たした。エースFWクリスティアノ・ロナルド(32)が、後半8分に決勝点となる直接FK弾をたたき込み、大会通算7得点として最多記録を更新した。大会最優秀選手はMFモドリッチ。チームは優勝賞金500万ドル(約5億7500万円)を獲得した。

 主役はやはりロナルドだった。後半8分、自身が得た、やや左約25メートルからのFK。両手でボールを置く。足を広げ、大きく深呼吸。いつものルーティンから力みなく右足を振り抜いた。4人の壁の間を抜けた高速シュートはワンバウンドしてゴール左隅をとらえた。決勝の一撃。背番号7は、どうだと言わんばかりに左手で胸をたたいた。試合後は「最高だ。素晴らしい1年を過ごした」と白い歯を見せた。

 大会7得点目。準決勝のアルジャジーラ戦で単独トップとなっていた大会通算得点を更新した。さらに前身のインターコンチネンタル杯、トヨタ杯を含めても元ブラジル代表FWペレが打ち立てた最多記録に並んだ。「(FKについて)いまさら言うことは何もない。得点することが自分の仕事。数字がすべてを物語っている。いつもピッチで結果を残してきた」。そう言って胸を張った。

 チームは00年のクラブW杯決勝でボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)に敗れて以降、国際大会の決勝で敗戦がない。これで決勝は実に12連勝と無類の強さを発揮している。この日もグレミオをわずかシュート1本に封じ、20本を浴びせた。スコア以上の完勝。その中心に09年の加入から君臨し続けるロナルドがいる。

 32歳のエースは試合後「できることならRマドリードで引退したい」とサッカー人生をクラブにささげる意欲を口にした。ジダン監督も「ここは彼の家だ。最後まで彼がここでプレーすることを祈っている」と尊重した。「モチベーションはある。これからも勝利の成功を収めたい」と話す円熟の背番号7が、これからもタイトルをチームにもたらす。【岡崎悠利】