全日本実業団対抗女子駅伝は12月13日、宮城県松島町文化観光交流館前~仙台市陸上競技場の6区間42・195キロで行われる。マラソンでリオ五輪代表を狙う木崎良子(30)と前田彩里(24)を擁するダイハツが初の女王の座を虎視眈々(たんたん)と狙っている。

 木崎は前回まで5区(10・0キロ)で2年連続区間賞。前田は昨年、3区(10・9キロ)で高島由香(デンソー)から5秒後れの区間2位と2枚看板が長距離区間で力を発揮してチーム最高順位の2位を実現させた。この冬はともに、マラソン選考会優先のスケジュールになるが、2人の置かれている状況は対照的だ。

 駅伝をステップにしたいのが、故障に苦しんできた木崎。林清司監督は「8月から練習で長い距離はしっかり走れている」と話す。来年3月の名古屋ウィメンズマラソン出場を予定しているが、本格的なマラソン練習に入る前段階で一度、駅伝を使ってスピードを上げておきたいところだ。

 一方の前田は来年1月の大阪国際女子マラソンに出場するため12月はマラソン練習のまっただ中。全日本実業団駅伝への出場は、駅伝前最後の40km走をやってから決めることになる。前田本人は駅伝への意欲も十分で、11月に福井で行われた駅伝に出場した際には、自社ホームページに「やっぱり駅伝っていいなと思ったし、このチームのために自分が出来ることをひとつひとつしていきたい。ここからクイーンズ駅伝に向けて調子を上げていきたいと思います」とコメントしている。

 2人を追う人材として、高卒2年目の松田瑞生(20)が成長している。林監督も「前半からどんどん追い込んで、走りきってしまう選手」と評価する。二枚看板の状態次第では、ダイハツが優勝争いに加わる可能性は十分にある。