那須川瑞穂(36=ユニバーサルエンターテインメント)が2時間33分16秒で日本人最高の5位だった。日本陸連が設定する世界選手権ロンドン大会への派遣設定記録2時間22分30秒には10分以上も届かなかった。日本勢は低調な成績に終わり、代表選考を兼ねた来年1月の大阪国際、同3月の名古屋ウィメンズの結果次第では、異例の派遣なしとする可能性も出てきた。

 勝負は早々に決した。日本勢はアフリカ勢のペースについていけない。5キロ通過時点で那須川らは先頭から43秒も遅れた。先頭集団から分断され、見せ場を失った。駅伝シーズンに備え、有力選手は不在だったが、それでも海外勢との力の差は歴然だった。

 日本陸連のマラソン・長距離を統括する河野匡ディレクターは「安穏としてられるレベルではない」と危機感を募らせた。世界選手権ロンドン大会への出場枠は最大3だが、その縮小も選択肢にあることを明かした。「必ずしも埋めるより、東京五輪を目指して、しっかりとした方向性で選手を選びたい。3枠あっても、戦えないチーム作りは今後につながる強化とは言えない」。実際、13年世界選手権モスクワ大会では最大5枠も選出は3人だった例もある。残る選考会は大阪国際と名古屋ウィメンズ。河野ディレクターは「結果を見てからだが、今日(13日)のようなレースが続けば(派遣0人の)可能性はある」と、レース内容によっては派遣取りやめの可能性にまで言及した。

 東京五輪へ、日本陸連の強化委員会が刷新されてから初の大会。刺激的な発言は、選手に発奮を促す意味合いが強い。世界に出るだけではなく、勝負できなくては意味がない-。そんな日本陸連の所信表明でもある。【上田悠太】

 ◆世界選手権女子マラソン代表選考 代表枠は最大3。さいたま国際、来年1月の大阪国際、3月の名古屋ウィメンズで日本人1位となり、ことし1月1日から選考会終了までに派遣設定記録の2時間22分30秒以内をマークした選手が自動的に代表となる。これで枠が埋まらない場合、3大会の日本人3位までと、8月の北海道マラソンを制した吉田香織を対象に選考する。補欠1人も選ぶ。