全日本実業団対抗女子駅伝は26日、宮城県松島町文化観光交流館前~仙台市陸上競技場の6区間42・195キロで行われる。ダイハツは日本選手権1万メートル優勝の松田瑞生(22)、マラソン北京世界陸上代表だった前田彩里(26)のダブルエースを擁して3位以内を目標に掲げる。

 予選会のプリンセス駅伝で松田は3区で区間3位、前田は5区で区間賞を獲得した。2人ともプリンセス駅伝にはピークを合わせなかったため、林清司監督はレース前に「2人とも区間10位程度で良い」と話していた。しかしいざタスキを持てば、調整不足でもトップレベルの走りができることを証明した。

 松田は自慢の腹筋パワーを強風の中で発揮。「軸がぶれずに走れた」という。「クイーンズ駅伝では10割で出場したい」と意気込む。世界陸上1万メートル10位の鈴木亜由子(26=日本郵政グループ)や、3年連続区間賞の高島由香(29=資生堂・29)と並ぶ区間賞候補だろう。

 前田は16年3月に左脚くるぶし下の腱(けん)を手術。回復が思うように進まず、プリンセス駅伝が国内復帰戦だった。強い向かい風を受けてペースがまったくつかめなかったが、終わってみれば区間賞。能力の高さを改めて証明した。「やってみないとわかりませんでしたが、今の力は全部出せました。クイーンズ駅伝は練習する時間もあるので、区間賞を狙って行きます」と気合を見せる。

 ダイハツは、11年世界陸上代表だった吉本ひかり(27)も徐々にブランクを埋めてきた。また大物新人の大森菜月(23)がケガから復活し、2人に1区と2区を任せられればかなり強力な布陣となる。

 過去最高順位は3年前の2位。前田は「そこはまだいいかな」と控えめだが、プリンセス駅伝のように、想定以上の走りをする可能性もある。レース後半で逆転劇を演じる力があるのはダイハツだろう。