男子は中越がV2を決めた。7区間のうち4区間でトップタイムをたたき出す圧勝。2時間9分55秒24で16度目の全国大会出場を手にした。第6区で区間1位だった主将の遠藤凜(3年)は長岡西中時代に長岡JYFCでサッカーに取り組んでいたランナー。3月には右足離断性骨軟骨炎と、かかとの三角骨除去手術を受けていただけに復活を告げる激走になった。全国大会は12月20日に京都で行われる。

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額に巻かれた真っ白なハチマキに赤い文字で記されていた文字は「激走 中越」。文字通りに第6区5キロを走った遠藤は激走した。背後に十日町の片桐貫太(1年)の追走を受けながら、1度も相手の背中を見ることはなかった。「3000メートル過ぎから苦しくなったが『相手も苦しいだろう』と思って走った。チームを1年間、引っ張ってきた主将の意地です」。ラストは5秒50差でかわした。

故障から完全復活を証明する走りだった。3月に離断性骨軟骨炎の右足くるぶし軟骨を除去。同時にかかとの三角骨も除去した。コロナ禍の休校期間中は松葉づえの生活で完全復帰は7月から。この日の走りは、そんな故障を感じさせない激走だった。1年夏には右足脛骨(けいこつ)を疲労骨折し、同年冬には両足脛骨の疲労骨折と故障続きだったが、復活走で県の王座防衛に貢献した。

長岡西中時代はサッカー少年。Jクラブに多くの選手を輩出する長岡JYFCでFW、MFと攻撃的な役目を担っていた。1学年上にはJ2京都加入のMF谷内田哲平、J2町田に入ったFW晴山岬(ともに帝京長岡)らがいたが「レベルは格段に違った」と高校で陸上に転向。中3で駆り出された県中学駅伝に出場して「もともと走るのが好きだった」という駅伝に目覚めた。昨年の全国大会は第5区を走りチームは51位だっただけに、遠藤は「悔しい思いを味わったので今年は20番台を切りたい」と高校最後の駅伝に思いをはせた。【涌井幹雄】