おはようございます! 皆さん、今年のゴルフの目標は何でしょう? そこに向かって、頑張りましょう。さて、押しかけ挑戦者、プロ野球・元中日ドラゴンズ監督の谷繁元信さんとのマッチプレー2ホール目は、競技ゴルフについてのレッスンが入って来ます。競技をしていない人も、ラウンド中の参考になるヒントがいっぱいです。

にこやかにラウンドする谷繁氏(右)と青木プロ
にこやかにラウンドする谷繁氏(右)と青木プロ

競技ゴルフの醍醐味(だいごみ)の一つは、ヒリヒリするような緊張感。何万人もの人の前で打席に立ったり、捕手でリードをしていた谷繁さんでも、競技ゴルフでは別な緊張を感じるそうです。ユニホームを脱いで1年くらいたってから出場した神奈川アマや関東ミッドアマの予選などで「こんなの初めて。周りには普通のおじさんしかいないのにティーグラウンドで震えた。野球は最初の時だけであとは気合の方が勝っていくけど、ゴルフは3~4ホールそれが続いた」というから驚きですね。

ギャラリーも入る男子のAbemaTVツアーでは、もっと大変だったそうです。「この緊張をどうやってほぐそうか」と思案した揚げ句、ギャラリーの方とずっとしゃべりながらプレーする作戦に出たというから面白いですね。

確かに、にぎやかな応援の中でプレーするプロ野球と違い、ゴルフの試合は私たちプロのものでも、アドレスに入ったら物音ひとつしないくらいシーンとします。谷繁さんはあれが気持ち悪いとおっしゃいます。「野球もそうだけど、プロスポーツ界はもっとエンターテインメントとして考える必要がある。(PGAツアーの)フェニックスオープンの16番みたいな(巨大スタンドの大ギャラリーが大騒ぎしている名物ホール)感じをやってほしいんだよね」ともおっしゃっています。

確かにずっとにぎやかな中でプレーをするというのもありかな、と私は思います。そういう試合があってもいい。男子のRIZAP KBCオーガスタのように、ずっと音楽が鳴っている騒がしい試合も特徴がありますからね。選手はその中で集中力を持ってやりなさいよ、ということでしょうね。

私自身も、人並みに緊張はします。これまでで一番シビれたのは、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ18年ヨネックスレディース。2~3ホールで肩の力が抜けるのが普通なのに、一日中「鎧が取れない。どうしよう」と思ったのは初めてでした。いつもは、スタートのティーショットより、最終ホールのセカンドショットの方が緊張します。基本的に曲がらないので、お客さんの前で「乗せたい」という気持ちが強いからかもしれません。

競技には出場しない皆さんも、コンペの時はいつものプライベートとは違うでしょう? その緊張感を、どうほぐすか、あるいはうまく利用するか。メンタルのありようを考えるのもまた、ゴルフの醍醐味です。

◆青木瀬令奈(あおき・せれな)1993年(平5)2月8日生まれ、群馬県前橋市出身。11年にプロ転向。17年ヨネックスレディースで初優勝。19年賞金ランキング35位。三和シヤッター工業所属。身長153センチ。

◆谷繁元信(たにしげ・もとのぶ)1970年(昭45)12月21日、広島県生まれ。捕手として横浜(現DeNA)、中日でリーグ優勝5度、日本一2度。3021試合出場のプロ野球記録を持つ。現役時代は176センチ、81キロ。

取材・構成 遠藤淳子

撮影 浅見桂子

協力 葛城GC(静岡・袋井市)