新垣比菜(17=沖縄・興南高3年)にとっては、念願の勝利だった。「中1で初めて日本ジュニアに出て、優勝したいと自然に思った。特別な大会です」。昨年は日本女子プロ協会の下部ツアーでプロを制して優勝、ツアーでは女子アマ初の3試合連続トップ10入りを果たし、全国高校選手権でも優勝した。取り残していた日本タイトルをこの日つかんで、日焼けした顔をほころばせた。

 この1年の成長を「落ち込んだ時期もあったけど、それを乗り越えて、メンタル的に強くなった」と自己評価する。今年は4月からショットが乱れ、小技にも響く悪循環でスランプに陥った。それをコントロールショットの練習、1日400球の練習に対し「同じくらい素振りをして」復調にこぎつけた。

 前日の第2ラウンドが雷雲接近でサスペンデッドとなり、前夜は「寝る前にドキドキした」と緊張にも襲われた。この日はスタートも遅れ、競技も36ホール短縮になるという難しい状況にも「残り5ホールで2つのばせば」と心に決め、計算通りに3バーディー、1ボギーで上がってきた。

 来年にはプロテストを受験する意向。20年東京五輪に向け「間に合うか分からないけど目指したい」と大きな瞳を輝かせた。