H・W・リュー(35=韓国)が、小平智(27)、スンス・ハン(30=米国)との三つどもえのプレーオフ(PO)を制し、5年ぶりとなるツアー通算2勝目を挙げた。

 2バーディー、ノーボギーの69で回り、通算3アンダーの281で並んで突入したPO。起死回生の一打で2勝目を引き寄せた。第2打がグリーン奥のバンカーに入り「いってはいけないところ。正直“終わった”と思った」。それでも「感覚だけ。運に任せて打った」という段を下る難しいバンカーショットが2メートルにつき、ただ1人パーをセーブして両手を突き上げた。

 優勝から遠ざかり、韓国にいる家族となかなか会えないことで精神的にも追い詰められていた今季。3週間前から日本ツアー通算8勝のS・K・ホ(韓国)にパットを教わったりもしたが確信は持てなかったという。「自信はなかった。今日は肩や胸の辺りに痛みもあって…」。そんな状態でロースコアの戦いを制し「うれしいけど不思議な気持ち」と笑った。

 12年コカ・コーラ東海クラシックで片山晋呉とのプレーオフを制した時は、最終日が台風の接近による無観客試合。ギャラリーの喝采を浴びながら味わった歓喜の味は格別だった。「日本が大好き。今後は日本で暮らすプランを立てています」。ホームシック解消の計画を後押しする大きな1勝は、今季日本男子ツアーの韓国勢初Vでもあった。