9打差18位から出た松山英樹(26=LEXUS)は3バーディー、3ボギーの72と伸ばせず、通算イーブンパーの216で首位と14打差21位に後退した。状態のピークを合わせられず、悲願のメジャー初Vは遠のいた。

 2月に左手親指を痛めたことが調整に影響を及ばしたかと問われ、松山は「関係ないです、それは」と強い口調で否定した。その上で「いろいろ考えることはありますけど(単に調整が)うまくいかなかったですね」と言った。ピークを合わせられなかった悔しさをのみ込んだ。

 「15、16だけですね。(ショットが)良かったのは」。終盤の連続バーディーで今大会初めてトータルでアンダーパーとしたが、最終18番は1メートルを外して2日連続のボギー。落胆の色は濃くなった。「今日、5アンダーか6アンダーを出していれば、面白い位置にいられたんですけど…。残念ですね」。絶望的な14打差を静かに受け止めた。

 第2ラウンドに痛みが出た左手親指については「あまり気にしていなかったと思うので、良かったと思います」と説明。前日、体のケアなど全てが終了した頃には、午後11時を回ろうとしていたという。オーガスタに借りている家で息抜きの日課だったビリヤードも、さすがに見送った。飯田光輝トレーナーの治療のかいもあり、ドライビングディスタンス305・1ヤードはラウンド別で全体4位だった。

 連戦で臨んだ昨年8月の全米プロに惜敗した時は、勝負どころでのガス欠につながったとして、月曜日に行った練習ラウンドを悔やんだこともあった。基本的にはメジャー大会が始まってからも3時間近い練習量を維持し、持ち前の修正能力を発揮して優勝をうかがってきた。現在は長時間のパット練習でも負担がかかるという左手親指を最優先に考え“量”をセーブしている印象を受ける。

 「ずっと停滞しているのでバーディーをたくさん取れるように」。15年に66、昨年は67を出した最終日でモヤモヤを振り払う。【オーガスタ=亀山泰宏】