ツアー48勝を挙げ永久シードの中嶋常幸(63=静ヒルズCC)が、第2日を最後に日本ツアー選手権からの撤退を表明した。中嶋は第1日に5オーバー、この日も2バーディーは取ったものの、6ボギー、1ダブルボギーの6オーバー、77で回り通算11オーバー、153で決勝ラウンドに進むことができなかった。「この辺が限界かなという感じ。後輩たちに真剣勝負の枠を譲ってあげたい。卒業式ぐらいは60台で回りたかったよ。一生懸命頑張ったけど、ダメでした。本当に悔しい、こういうゴルフしかできない自分が」と寂しそうに話した。

 これまで、史上初の日本タイトル6冠を達成。「日本アマと合わせて、この大会を取ると8冠。それをモチベーションにやってきたが、体がついてこなかった」と、日本ツアー選手権への思いを語った。

 昨年は、頸椎(けいつい)を痛めたこともあり、プロ生活初の予選通過ゼロに終わった。「ドライバーで250ヤード以上飛ばなくなったら、そして予選通過ができなくなったら、と考えていた。自分の中で、もういいよと結果が出た」と、今大会での卒業を決めたという。

 最後のラウンドとなるこの日は同世代のギャラリーから、盛んな声援と拍手を浴びた。「ありがたかった。ボギーでも拍手してもらえてうれしかった」と言う。最後に「悔いなしのひと言」と言い、今後については「成績で貢献できなくなったけど、これで終わりじゃない。ツアーを支えていく1人としてこれからも貢献したい」と話した。