大相撲の元関脇勢と今秋に結婚する比嘉真美子(24=TOYO TIRES)が4位に浮上した。イーブンの30位で出るとボギーなし、1イーグル、4バーディーの66で回り、通算6アンダー138で首位とは2打差。結婚が明らかになった直後のツアーで今季2勝目に照準を合わせた。アン・ソンジュ(韓国)とテレサ・ルー(台湾)が通算8アンダーの首位で並んだ。

 降り続く雨、6メートルの強風、気温13・7度の寒さをはね返す勢いが、比嘉にはあった。「ターニングポイントになるホールでしっかりとバーディーを取ることができた」。最初のパー5となる6番でバーディー先行。9番パー5でイーグルも奪い、最終18番でバーディー締め。ボギーなしの好スコアに「リズムに乗ることができました」と自然体の笑みを浮かべた。

 6月最終週に勢との今秋結婚が明らかになってから初のツアーでも浮ついていない。「婚約から1年ほど経過しているので落ち着いている。良い意味でマイペースにできている」。今ツアーは雨続きの難しい天候だが「ぬかるんで良いライで打てるのが少ない」とバッグから3番ウッドを抜き、5番と7番のウッドを併用。「気負わず、高く(ボールが)上がる」と冷静にコース攻略できている。

 将来の夫から刺激も受ける。「ゴルフは長時間で相撲は数秒で終わってしまう世界。正反対ですが、一瞬にかける集中力や気持ちの持っていき方とか、ものすごく勉強になっています」と明かす。発する言葉も相撲界から影響されたのか「心技体ともにレベルアップすることを近い目標に置いてやっていけたら」とも口にした。

 首位と2打差の優勝圏内に入った。今季2勝目へ「追う立場。18ホールを守ることなく、18回攻めきっていけたら優勝チャンスもかなり大きくある」。アン・ソンジュ、テレサ・ルーという女子ゴルフ界の“横綱”との優勝争いへ、比嘉が全力でぶつかる。【藤中栄二】