<元賞金女王・村口史子の目>

上田さんは3日間変わらず、いいリズムでプレーしています。パットを見ていると「入れたい」という意識より、自分のストロークを落ち着いてやりきる-そんな風に感じます。スイングも力みがない。結果として、日本人最上位に上がってきました。

一方、予選を9位で通過した野村さんは76で33位に後退しました。9番パー4でティーショットを「ゴース」(密集した低木)に入れ、ダブルボギーにしたのは痛かったですが、それよりスコアを崩したポイントは、パットの“結果”にあったと思います。

予選が終わり、上位にいて、さあ行こうと前向きになる。ショットもいい。パットも狙い通りに打った。…それが入らない。ラインが一筋、タッチがわずかに違って、バーディーパットが何度もカップ縁で止まった。ボディーブローのようなもので、その積み重ねでゴルフ全体がズレてしまった。そう思います。

畑岡さんも本来の力からは考えられないほど、スコアを崩して下位に低迷しています。

リンクス開催の全英は、他のメジャーより不確定要素が多い。硬く、うねったフェアウエー。そこに強風、寒さなどの気象条件が相まって、キャリー、ランの計算が立ちにくく、手応えあるショットでも落ちどころ次第でポットバンカー、ブッシュに捕まってしまう。紙一重の部分に、運が介在する。調子が良くても、トラブルは起きる。

大事なことは、やれることだけやる。そんな割り切りです。首位のポポフは世界ランク304位で、米ツアーの下部のシメトラツアーが主戦場。他にも無名の選手が上位をうかがっています。自分のことだけに集中して、気がつけばいいポジションにいるんじゃないでしょうか。昨年の、当時世界的に無名だった渋野さんのように、思わぬ選手が金星を射止める可能性は十分あるでしょうね。(プロゴルファー、テレビ朝日解説者)