メジャー初制覇を目指す松山英樹(28=LEXUS)が、9度目のマスターズで初の60台発進を決めた。

コロナ禍で初の11月開催、日照時間の関係で史上初めて実施されたツーウエーのインスタートから、5バーディー、1ボギーの68。スタート10番途中の悪天候による2時間45分の中断を苦にせず、首位と3打差暫定5位につけた。

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パトロンがいない。紅葉が目立つ。誰も知らない秋のメジャーで、松山が手堅くスコアを伸ばした。

インスタートの序盤でまずは2連続バーディー。アーメンコーナー最後の13番パー5。クリーク越えの第3打をウエッジで、48ヤード先のピン左50センチにつけた。14番パー4は、左ラフから残り160ヤードの第2打をショートアイアンでピン左80センチに止めた。後半アウトの上がりも2連続バーディー。8番パー5は、残り60ヤードの第3打をピン左1・2メートル。9番パー4は残り155ヤードの第2打をピン奥3メートルへ。

スタート直後の荒天中断もあり、たっぷり湿ったコースはドライバーショットが落ちた地点で止まり、全くランが出ない。硬く、シビアないつものオーガスタと違うコンディションに、絶妙の距離感、スピンコントロールで対応し、5バーディーを奪った。

第1日終了時点で、首位との3打差は申し分ないはずだ。それでも、松山は笑わない。「全体的に(内容は)かなり悪かったんですけど、グリーンがソフトだったんで、ミスした時もチャンスにつけられたりしたのは良かった」。好発進だから勝てるとは限らない-。過去31度のメジャーで得た経験を胸に、残り3日も戦うつもりだ。

◆4アンダー発進はメジャー自己新 松山が第1日に記録した4アンダー、68は出場9度目のマスターズを含め、同32度目のメジャーで最多アンダーパー。メジャー第1日の68は過去に17年全英オープン、18年全米プロと2度あるが、ともにパー70で2アンダー。