世界ランキング10位の山口茜(18=福井・勝山高)が「金メダリスト超え」を果たした。12年ロンドン五輪金メダリストで同4位の李雪■(24=中国)を2-1で撃破。6月のインドネシア・オープンに続く金星で、世界トップクラスの実力を証明し、準決勝に進出した。8月の世界選手権連覇のキャロリーナ・マリン(スペイン)は敗退。日本人初制覇となった13年大会以来、2年ぶりの優勝が視野に入ってきた。
18歳は楽しんだ。ロンドン五輪金メダリストの李との対戦は5度目。昨年まで3連敗も、山口は「初めて対戦したときから、相手に(自分に対する)苦手意識を感じた。楽しめてプレーできた」。6月のインドネシア・オープンで初勝利。この日も「勝負できる。勝つぞ」と楽しみながら連勝した。
開始から主導権を握った。得意のドロップショットを駆使して、前後左右に揺さぶり、第1ゲームを先取。第2ゲームは失ったものの、ファイナルゲームは持ち味の粘りをみせる。「相手は疲れている。ラリーなら自分に分がある」と冷静さも保つ。14-11から5連続得点で突き放し、勝利を決定付けた。
先月の世界選手権(インドネシア)は欠場し、全国高校総体に出場した。バドミントンで町おこしを進める人口約2万5000人の福井県勝山市出身。子供のころから地元の大人たちと練習を積んだ。「工夫しないと勝てない」と、この日の勝因でもある意表を突くフェイント、ドロップショットなどの武器を育んできた。だからこそ「地元愛」を貫く。高校総体では史上初の3連覇を達成。故郷と母校への恩返しを果たし、今大会を迎えた。
今大会は世界選手権に次ぐ格付けにある。世界選手権を欠場した分、できるだけ上位に入り、世界ランクのポイントを稼ぐ決意は強い。ベスト4進出で、2年ぶりの優勝は見えた。高校1年だった2年前は、ノンプレッシャーで勢いのまま制覇。今年はライバルにマークされ、期待を背負いながら戦う。今日12日は世界ランク7位の王適嫻(中国)と対戦。「また中国選手。我慢比べで、自分からミスをしないようにしたい」。2年前より価値ある優勝は目の前にある。【田口潤】
◆山口茜(やまぐち・あかね)1997年(平9)6月6日、福井県勝山市生まれ。兄の影響で5歳でバドミントンを本格的に始める。勝山南部中3年時、史上最年少で日本代表に選出される。勝山高1年だった13年の今大会女子シングルスで日本人初優勝。同2年だった昨年12月の全日本総合では史上2番目の17歳6カ月で優勝。世界選手権を辞退して臨んだ今夏の高校総体はシングルスで史上初の3連覇。家族は両親と兄2人。156センチ、55キロ。
※■は草カンムリに内


