全国高校ラグビー(27日開幕・大阪花園ラグビー場)の組み合わせ抽選会が5日、大阪市内で行われ、2年連続4度目の静岡聖光学院は、1回戦(28日)で昨年と同じ倉吉北(鳥取)と対戦することになった。勝てば、2回戦でシード校の国学院久我山(東京第1)とぶつかる。川井泰成主将(3年)は慶大への進学を決めているが、ラグビーは高校で引退を決意。花園ですべてを出し尽くす。
川井は緊張した面持ちで、右手を抽選箱に入れた。そして、(くじの)ボールを引き抜いた瞬間、目を丸くした。その表情のままマイクの前に移動し、「静岡聖光学院、40番」とアナウンス。2年連続での倉吉北との1回戦対決が判明し、島田至隆監督も驚きを隠さなかった。
ただ、川井は「その先」も見つめていた。昨年大会は倉吉北を82-5で制し、同校の「花園初勝利」をものにした。今年も勝てば、2回戦でシード校の国学院久我山と対戦できるからだ。「シード校とやるなら久我山が良いと思っていたので、『キターッ』って思いました」。
川井にとっては、この花園がラグビー選手としての集大成になる。今年10月、慶大総合政策学部のAO入試に合格したが、「ラグビーは高校まで」と決めている。静岡鉄道の重役を務めている父敏行さんの影響もあり、大学在学中の起業を考えているからだ。「慶大はラグビー伝統校で練習が長く、勉強が出来なくなってしまう。どれかに偏りたくないので」。
文武両道の静岡聖光学院は、ラグビー部の全体練習も「週3日」に限られている。練習時間も夏場は1時間30分、冬は1時間と極端に短い。そのため、部員は「強くなるためには、練習だけでなく普段の生活をどのように過ごすかが重要」と考えている。川井自身もラグビー部に在籍しながら、1年時には「高校生のための次世代リーダー養成塾」に参加。今年9月には静岡市の姉妹都市の米オマハ市に渡り、英語でスピーチを行うなどしている。
川井だけでなく、今年の3年生は「全員で現役合格」を目指し、受験勉強も重ねてきた。「この聖光スタイルで4強に入り、強豪校と戦えることを証明したいです」と川井。ラグビー人生の最後に、「聖光スタイル」を全国にとどろかせるつもりだ。【大野祥一】


