バレーボール男子日本代表アタッカーで中心選手の柳田将洋(24)が20日、ドイツ1部リーグのTVインガーソル・ビュールに移籍することが決まった。4月下旬に海外挑戦を表明し、サントリーからの移籍先を探していた。この日までに契約が完了し「TVインガーソル・ビュールとプロ契約を締結いたしました」とコメントした。既に同チームの公式サイトにはプレーヤーとして柳田の名前も掲載されている。

 サントリーで活躍してきたが、20年東京五輪はもちろん、さらに先を見据え環境を変えることを決断した。その過程の中でプロ選手として海外チームに所属することを具体的な目標に設定。日本代表では石川祐希(中大)が今春、イタリア・セリエAのラティーナに短期留学し、経験を積んだ。柳田もより厳しい環境に自分を置いてバレーボールと向き合う道を選んだ。

 TVインガーソル・ビュールはスウェーデン、アルバニア、イタリアなど欧州各国の代表クラスが集結しており、柳田が定位置を獲得するのは簡単ではない。それでも「海外でプレーするのは、代表以外では初めてで、最初は言葉や文化の壁を感じると思いますが、そういったところも含めて成長してきたいと思います」と困難を承知でチャレンジする。

 中垣内ジャパンでの柳田の存在は大きく、破壊力あるサーブは大事な場面での貴重な得点源だ。また、バックアタックも高い決定率を誇る。「今持っている自分のスタイルを常に発揮し、スキルのレベルアップやバレーボールそのものの視野を広げていきたいと思います」と、ドイツで自身の強みにさらに磨きをかける。

 ◆TVインガーソル・ビュール チーム創設は1847年。ドイツ南西部バーデン・ビュルテンベルク州のビュールが本拠地。90年の東西ドイツ統一後、ドイツリーグでは、06~07年シーズンに2部に昇格。08~09年シーズンに2部で優勝し、09~10年シーズンから現在まで1部に在籍、最高位は4位。13~14年シーズンに欧州の大会、CEV杯でベスト8に進出した。

 ◆主なバレーボール男子の海外挑戦 東レに所属していた加藤陽一は02年にイタリア1部のシスレー・トレビゾに移籍し、その後ギリシャのPAOK、フランスのアラゴ・デ・セテなどを渡り歩いた。元日本代表の越川優が09年にサントリーからイタリア2部パッラボール・パドヴァに完全移籍。最近では石川祐希がイタリア1部ラティーナに短期留学している。