世界選手権(10~11月・ドーハ)代表最終選考会を兼ねた男子は、床運動2位で昨年代表の谷川航(わたる、21=順大)が平行棒連覇の田中佑典(28=コナミスポーツ)、あん馬3位の萱和磨(21=順大)とともに代表入りした。弟で全日本王者の谷川翔(かける、19=順大)は決勝でのあん馬、床運動でのミスが響き落選、兄弟で明暗が分かれた。
皮肉にも兄航が弟翔から代表の座を奪った。この日の決勝を残し全日本、NHK杯、前日の予選と好成績を収めてきた翔は代表候補1番手。だが、最初の床運動で尻もちをし、得意のあん馬で落下。一方、当落線上の航が床を完璧に決め、14・733点の高得点をマーク。得意の跳馬で種目別メダルを狙える高難度の技に挑み、日本の弱点であるつり輪でも安定感のある演技を披露。評価をぐっと上げて、代表入りした。
航は「正直、翔と一緒に2人行けたら一番いいが、そんなに甘い世界ではない。今日、翔は床から少しミスが出ていた。今日は勝負の日。それで僕はしっかり床でいい演技ができていた、その差で僕が少し勝てた」と振り返った。今年の世界選手権団体戦は、3位以内で東京オリンピック(五輪)の枠が得られる大事な戦い。初の団体戦に臨む航は「着地を決めて、チームに勢いをつけたい」と貢献を誓った。
惜しくも落選した翔は「お兄ちゃんが僕を引きずりおろした」と笑みを浮かべながら悔しがった。「決める時に決めなければ代表に入れないということ。勝負強さをつけていきたい」。あくまで目標は2年後の東京五輪。代表入りした8月のアジア大会で「思いをぶつける」と前を向いた。【高場泉穂】


