「ホーム」のB2仙台89ERSが70-67でB1秋田ノーザンハピネッツに逆転勝ちし、大会初優勝を飾った。

第3Q(クオーター)終了間際に、連続3点シュートを決めて逆転に成功。昨季B2で6戦全敗だったた相手に雪辱し、B1昇格を懸けたリーグ開幕(29日、対福島)に弾みをつけた。

仙台が前身の東北カップを含め、2年ぶり3度目の決勝で初の東北王者に輝いた。3点リードの残り3秒、同点を狙った相手3点シュートがリングにはじかれた直後、割れんばかりの地元ブースターの歓声が鳴り響いた。今春就任した桶谷大ヘッドコーチ(HC=40)は「最後まで諦めずによく耐えて我慢した」と、選手の粘りをたたえた。

立ち上がりは秋田の激しいディフェンスに戸惑った。第1Qの4分過ぎに早くもチーム5ファウルを犯して失点を重ね、11-22の劣勢に立たされた。だが第2Qは泉秀岳(26)の連続3点シュートなどで追い上げ、第3Q終了間際も安部潤(32)と泉の連続3点シュートで逆転。チーム6本中3本の3点弾を要所で決めた泉は「ホームで勝てて良かった。(今季B1の秋田に)勝ち逃げできた」と冗談交じりで話した。

大会前、22点差で大敗した2日富山とのプレシーズンマッチの反省が生きた。同戦では後半さらに突き放されたが、この日は違った。60-60の第4Q4分半過ぎからは、相手のお株を奪う全面コートのディフェンスで圧力をかけた。9得点の白戸大聖(23)が残り2分で5ファウル退場になる試練を、チーム一丸で乗り切った。月野雅人主将(29)は「一時は日本人5人だけの状態になってもアグレッシブに戦えた。選手1人1人が役割を果たせた」。B2開幕の29、30日は敵地で福島と戦う。桶谷HCは「福島に連勝してホームでも西宮に連勝できるように準備したい」と、確かな自信をつかんでいた。【佐々木雄高】