17年世界女王の新井千鶴(24=三井住友海上)が2連覇を果たした。

準々決勝ではリオデジャネイロ五輪銀メダルで世界女王3度のジュリ・アルベアル(コロンビア)に優勢勝ちして勢いに乗った。準決勝、決勝と自分の柔道を取り切った。

前大会以降、グランドスラム(GS)東京大会、GSパリ大会で準優勝。4月の選抜体重別選手権(兼世界選手権代表最終選考会)では、GS東京大会に続いて今大会代表1番手の大野陽子(28=コマツ)に2連敗したが、実績が評価されて代表2番手で選出された。

172センチの長身から放つ内股は豪快。世界選手権初出場の15年大会は5位に終わり、日本女子でただ1人メダルなしの屈辱を味わった。16年リオデジャネイロ五輪代表は田知本遥と最後まで争ったが、惜しくも落選。田知本が頂点に立つ瞬間を現地で目にし「金メダルは遠くない」と自らを奮い立たせた。

海外勢のパワー柔道に対抗するために筋力強化にも励み、体幹も鍛えた。大会で連敗が続いた時は、最後は「技術よりも気持ち」と考え、無心で思いっ切り稽古を続けた。

本番は2年後の東京五輪。再び、世界女王の称号を手にした新井は歩みを止めない。