女子48キロ級で、17年世界女王の渡名喜風南(24=パーク24)が銀メダルを獲得した。昨年と同じ世界女王のダリア・ビロディド(18=ウクライナ)との決勝で、優勢負けを喫した。

   ◇   ◇   ◇

光が見えた試合でした。渡名喜選手は負けはしたが、東京オリンピック(五輪)へ良い戦いになりました。昨年の決勝は圧倒的に負けていた印象ですが、だいぶ距離は近づいています。強気でくるビロディド選手が最後は守りに入りました。指導を受けてもおかしくない、初めてと言ってもいい弱気な態度を引き出しました。

違いは組み手で前に出られたことです。48キロ級では珍しい170センチ超えの相手を想定し、練習から70キロ級の選手と組んできたと聞きました。距離感を体感し、見上げる組み合いにも対策をきっちり積んでいた。リーチ差があると様子を見てしまうが、まず下がれば相手の得意技の大内の餌食になる。逆に思い切って前に出て早め早めに組み手をさばいたことで勝機を作りました。今度は逆に奥襟を狙ってもいい。持たれ慣れていないので、嫌がるでしょう。

ビロディド選手は18歳での2連覇。渡名喜選手が対策として準備したとみられる逆技の袖釣り込み腰を瞬時に返し、技ありを取った場面、さらに寝技の巧みさなど、あらためて強さも示しました。これで危機感を覚え、対策を施してくるはず。その上をいく対応が必要になるでしょう。(北京、リオ五輪銅メダル)