国際スケート連盟(ISU)が創設したフィギュアスケートの表彰式「ISUスケーティング・アワード」が、日本時間午後11時から行われた。世界の選手、コーチ、振付師らが対象で全7部門。日本から2部門にノミネートされていた、冬季オリンピック(五輪)男子シングル2連覇の羽生結弦(25=ANA)が初代の「最優秀選手賞」に輝いた。先に発表された「最優秀衣装賞」こそ譲ったものの、初の大賞を謙虚な笑みで受賞した。

※発表順

▼最優秀新人賞(BestNewcomer)

19年グランプリファイナル(イタリア・トリノ)女子シングル覇者アリョーナ・コストルナヤ(女子シングル=ロシア)が輝いた。ユ・ヨン(劉永、女子シングル=韓国)アレクサンドラ・トルソワ(女子シングル=ロシア)との最終3候補から選ばれた。

▼最優秀コーチ賞(BestCoach)

コストルナヤら「ロシア3人娘」を指導したエテリ・トゥトベリゼ(ロシア)が選ばれた。ブライアン・オーサー(カナダ)ラファエル・アルトゥ二アン(アルメニア)とのレースを制した。

▼最優秀振付師賞(BestChoreographer)

シェイリーン・ボーン(カナダ)が授賞した。昨季は羽生のフリー「Origin」の振り付けを手掛けている。日本の女子シングル紀平梨花のSPも担当した。ローリー・ニコル(米国)マリーフランス・デュブレイユ(カナダ)もノミネートされていた。

▼最優秀衣装賞(BestCostume)

羽生結弦(男子シングル=日本)が受賞を逃した。19年グランプリ(GP)シリーズのフリー「Origin」で着用した紫の衣装が対象で「(ノミネートされ)非常に名誉です」などとリモート出席して話したが、マディソン・チョック&エバン・べーツ組(アイスダンス=米国、フリーダンス)が選ばれた。その瞬間、拍手を送って、アンナ・シェルバコワ(女子シングル=ロシア、フリー)とともに祝福した。

▼特別功労賞

事前ノミネート発表はなく、アワード内でサプライズ的に発表された。カナダの名選手カート・ブラウニングさんが選ばれた。

▼最優秀プログラム賞(MostEntertainingProgram)

世界王者のガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン組(アイスダンス=フランス、リズムダンス)が受賞した。エフゲニア・メドベージェワ(女子シングル=ロシア、フリー)ケビン・エイモズ(男子シングル=フランス、ショートプログラム)も候補になっていた。

▼最優秀選手賞(MostValuableSkater)

大トリで発表されたのが初代のMVSだった。名前を呼ばれたのは羽生結弦。ガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン組(アイスダンス=フランス) ネーサン・チェン(男子シングル=米国)とともにリモート出席した中、最高のスケーターと認定され「すべての人の目、声がプレッシャーになりますが、それを克服するためには練習しかない。でも、プレッシャーがあることで強くなっていけると感じている。大きな期待に応えることで超えるものを出していきたい。応えていきたい。120%を出していきたい。そうして成功を収めると達成感が素晴らしい」と喜びのコメントを出した。

候補者はインターネット投票(一般、メディア、ISUメンバー)などを基に選考され、先月26日に各部門の最終候補者3人が発表されていた。本来は今年3月の世界選手権モントリオール大会(カナダ)最終日に開かれる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響による大会中止に伴い、延期となっていた。審査員は、ともに世界選手権を制した実績がある安藤美姫さん(日本)やトッド・エルドリッジさん(米国)ら6人が務めた。