<卓球:全日本選手権>◇最終日◇17日◇丸善インテックアリーナ大阪◇女子シングルス決勝◇無観客開催

東京オリンピック(五輪)で女子シングルス代表の石川佳純(27=全農)が5年ぶり5度目となる涙の復活優勝を果たした。

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石川は家族の支えに感謝している。中学から地元山口を離れ、大阪へ。父公久さん(57)とはその頃から「逆単身赴任」。同じ屋根の下で暮らしたのは小6まで。寂しさもあったが、娘の夢を応援した。

それでも心はつながっている。卓球経験者の公久さんは遠く離れた国際大会でも、ネット動画などで娘の試合をチェック。そのたびに試合の総括をLINEの長文メッセージで送る。

石川は「勝ったときも負けたときも結構、アドバイスをくれるんです。やっぱり小さい頃から見ているので良いときと悪いときが分かるんです。家族全員が応援してくれているので、すごく支えになりますよね」と語る。

国際大会に帯同する母久美さん(57)妹梨良さん(23)へも「五輪に挑戦するということは家族も苦労する。帯同して応援することは大変だと思う。一緒にサポートするのも覚悟がいる。本当に感謝です」。その家族の言葉を信じ、5年ぶりの日本一を勝ち取った。【三須一紀】