男子テニスで元世界ランキング4位の錦織圭(36=ユニクロ)が25日、東京・有明コロシアムで記者会見し、現役最後の大会となる木下グループ・ジャパン・オープン(30日開幕)への思いを語った。

「満足感があって、来週が楽しみ。期待感は特にないが、試合が最後にできる楽しみが大きいです」

錦織は12年のジャパン・オープンで初優勝。全米オープンでアジア男子初の4大大会シングルス決勝に進んだ14年にも、ジャパン・オープン決勝でミロシュ・ラオニッチ(カナダ)を破って2度目の優勝を果たした。「今も忘れない。この大会はどの大会とも違う目標だったので、格別だった」と振り返る。18年も決勝に進出。前回出場した24年は、14年全米決勝で敗れたマリン・チリッチ(クロアチア)を初戦で破り、8強まで勝ち上がった。昨年は背中の状態の悪化を理由に、出場を断念していた。

思い出の舞台を最後に、ラケットを置く。今年5月、今季限りでの現役引退を表明。7月に米ワシントンで開いた会見では、昨年8月の大会後に引退が初めて頭をよぎったと説明した。22年1月に股関節の手術を受け、実戦復帰後も故障に苦しめられてきた。「痛いところが3つ、4つあり、ここからまた体を戻して戦うという決断がメンタル的にできなくなっていった」と明かしていた。

引退表明後の初戦となった7月のワシントン大会では、商竣程(中国)に逆転勝ち。8月の全米オープンは予選を2試合勝ち上がったが、予選決勝で坂本怜に敗れた。最後の4大大会で本戦出場はかなわず、日本で残る1大会を迎える。

「全米でも熱い気持ちだったり、テニスをお客さんの前で出来る幸福感はあったが、日本でやるのは違う感覚になると思うので、正直悔いはないが、悔いのないように自分のしたいテニスをしたい」

ツアーでは通算12度の優勝を記録し、16年リオデジャネイロ五輪では銅メダルを獲得した伝説。今大会は主催者推薦でシングルス本戦に出場する。大会最終日の10月6日には、有明コロシアムで功績をたたえるセレモニーも予定されている。【勝部晃多】