【カルガリー(カナダ・アルバータ州)10日(日本時間11日)=三須一紀】男子500メートルで村上右磨(28=高堂建設)が33秒89と、日本勢3人目の33秒台で3位と、今季初の表彰台に立った。北京五輪代表は3枠。今季2勝の新浜立也と森重航が代表確実となり、後のない状況で国内最高記録を持つ28歳が意地を見せた。女子500メートルは小平奈緒(35)が、36秒81で2位。女子3000メートルディビジョンBでは高木美帆(27=日体大職)が3分55秒45と4年ぶりに自身の日本記録を更新した。

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電光掲示板に33秒の数字が見えた瞬間、控えめな笑顔を見せる。やっと本来の力が出せた安堵感。村上は今季初の表彰台で「他の日本選手の成績が良すぎる中、本当に精神的につらかったが、33秒台で自信が持てる」と光明を見いだした。

W杯開幕直前、ドイツでの合宿中に転倒。背中と左腕合わせて7針縫うケガを負った。その影響でスケートの刃の右側部分がずれるなどし、先週のソルトレークシティー大会まで不振に苦しんだ。「自分がベストな状態で負けるなら納得はいくが、ずっとモヤモヤしていた」と振り返った。

無理やり、嫌なことは忘れるようにした。「体が前の状態に戻ればまた戦える」と言い聞かせた。我慢が報われる。「昨日から感覚が良くなった」。9秒49と全体5位だった100メートルと第1コーナーは「不十分」としたが、スピードに乗り切っていない状態から、バックストレートで加速できた。「夏から取り組んだ最後の200メートルの良さが出てきた」と納得した。

五輪代表枠が3つの日本男子500メートルは群雄割拠。日本記録保持者で今季W杯2勝の新浜立也、初優勝を含め好成績が続く森重が代表入りを確実にした。加えて24歳の松井大和も前週、34秒04の自己ベストでW杯初優勝。国内組では加藤条治が虎視眈々(たんたん)と5大会連続出場を狙う。国内最高記録を持つ村上も危機的状況だっただけに、価値ある今季初の表彰台となった。

五輪代表争いについて「新浜と森重は代表確実。あと1つを僕と松井、国内で調整している選手で争う。年末の選考会に向けて次のレースでも良いアピールができれば」。2本目の男子500メートルは29歳を迎える誕生日の12日。最高のバースデープレゼントを自らの手でもぎ取りたい。