自動車のスーパーGT最終第8戦の決勝が2日、栃木・モビリティリゾートもてぎで行われ、予選2位の1号車au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)が優勝で総合優勝を飾った。坪井は史上初の3連覇で、最多タイ4度目の王者となった。GT300クラスは、LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)が6位に入り総合優勝となった。チームにとって7年ぶりのタイトルとなった。
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狙い通りだった。坪井は「1周目が勝負だと思っていた」と言う。2位のまま第1コーナーに飛び込んだが相手の走りをしっかりつかんで焦らない。アウトから第3コーナーに入ると38号車をとらえ抜き去った。タイヤ交換をしないチームを想定してリードを広げ、山下にバトンをつないだ。計算通りのレースだった。
2位でも総合優勝が決まるが「勝って終わりたかった」と言う。山下も思いは同じ。後続車にピタリとつかれる苦しい展開が続いた。「最後だし、抜かれて決まってもモヤッとするのでブロックしました。疲れました」と笑わせた。
史上初の3連覇だが、決して楽なシーズンではなかった。開幕戦を制し、第4戦のレース1も制した。総合首位を快走していたが、ハンディとして載せられるサクセスウエート(重り)が増えてポイントが伸びない。前戦では吸気系のトラブルでリタイア。2位以下との差が一気に縮まった。勝って当たり前という重圧もあった。坪井は「ドキドキ感は今年が一番大きかった」と言った。
チームは長期的展望に立ってエンジニアをベテランから若手に切り替えた。技術の責任者の変更。「ガラッと変わった。これまでエンジニアさんに任せていた面があったが、話し合って試行錯誤しながら乗り切った」。これまでとは違う手応えがあった。
4度目の王者は昨年引退したロニー・クインタレッリと並び最多になる。「やっと並べた。抜くのが次の目標です」。坪井は4連覇を見据えていた。
◆坪井翔(つぼい・しょう)1995年(平7)5月21日、神奈川県横浜市生まれ。5歳でカートを始め、18年に全日本F3で初の総合優勝。19年にスーパーフォーミュラに昇格し、昨年初の王者に。今季も2勝しトップに立っている。スーパーGTには17年から300クラスに出場し、19年からGT500クラスにフル参戦。21年に初の総合優勝、23年から3連覇。夫人の斎藤愛未もドライバー。駿河台大経済経営学部卒。171センチ、61キロ。
◆山下健太(やました・けんた)1995年(平7)8月3日、千葉市生まれ。05年からカートに本格参戦し、14年マカオGP9位。15年からスーパーGT300クラスに出場し、500クラスは18年からフル参戦。総合優勝は19、24、25年の3度。フォーミュラでは16年全日本F3総合優勝。翌17年にスーパーフォーミュラに転向し、今季は現在総合11位。東海大工学部卒。175センチ、67キロ。
◆スーパーGT 94~04年まで続いた全日本GT選手権を国際シリーズ化するために05年に始まった。市販車を改造した車で争う。日本で最も観客数の多いレースで、今年第2戦は8万2500人が来場。当初のエンジンの最高出力が約500馬力のGT500と約300馬力のGT300の2クラスがある。全8戦の総得点(GT300クラスは上位7戦合計)で争われ、GT500クラスはトヨタ、ホンダ、日産の15台3車種、GT300クラスはフェラーリ、メルセデスなどを加えた28台14車種が混走する。GTとは高速で長距離移動できるグランドツーリングカーの略。


