日本のロコ・ソラーレが、準決勝進出に王手をかけた。米国を10-7で下して連敗を2で止めて、1次リーグ通算5勝3敗とした。

 

2連敗となった前日15日の英国戦。リザーブの石崎琴美(43)はコーチ席から4人の距離感を感じ取っていた。

「やっぱり負けてたりする時って、人としての距離感も出てきちゃう。無言にもなるし。難しいのはわかるんですけど」

言及したのはコミュニケーションの取り方だった。五輪の舞台の重圧から頭も体も疲れてくる後半戦。いつもの4人らしくない部分を敏感に感じ取った。

「お互いをちゃんと支え合って、1人が頑張るんじゃなくて、みんなで支え合ってやってほしい」

この日の米国戦の前にみなに伝えた。そして、その意図をくんでくれたように、前日とは違った距離感を試合で見せてくれた。作戦を考えるときは、シートの逆サイドにいることが多いリードの吉田夕、セカンドの鈴木が、サード吉田知、スキップ藤沢の元へ駆け寄る姿も多かった。

「このチームって、そのショットを決めることよりも、多分そういうコミュニケーションを大切にした方が、逆にショットが決まるから。そこをまず、試合に勝つとか、そういうことよりも、そこの土台をしっかりとしてほしいなと思って」

みなが思いを感じ取るように、ロコ・ソラーレらしさが氷の上にあふれた。

石崎は18年平昌五輪の銅メダル獲得の後、20年に請われる形でチームに加わった。02年ソルトレークシティー、10年バンクーバーと五輪の経験も豊富。チーム最年長は、後輩たちの心理面もくみ取りながら、しっかりと支えていた。