12日のリズムダンスで始まるフィギュアスケートのアイスダンス。ジャンプは跳ばず、カップルの協調性やスケーティング技術などで競う華やかな種目だ。
23組中11組。これがいまのアイスダンス界の「トレンド」を示している。8カ国11組が「アイス・アカデミー・モントリオール」で練習を積むカップルになる。
その1組である小松原夫婦組の美里は「アイスダンスはすごい流れがあるスポーツで、前はロシアがすごかったですが、その時に新しいムーブメントを作ったコーチにみんないくんです」と説明する。いま、その主流も主流なのが、カナダ・モントリオールのチームだ。
指導者は元世界選手権銀メダルのマリーフランス・デュブレイユ氏と夫パトリス・ローゾン氏、コーチのロマン・アグノエル氏らで構成される。
美里はその練習風景を「とても穏やか」と称する。当然ながら氷上ではライバルとなれば、ピリピリした空気も漂いそうだが、試合の公式練習であっても、余裕を感じたという。「大人で励まし合ってるし、なんならチームが違うのに話しかけてくれたり。すごくいいなと」。18年平昌五輪の前に直談判してチームに加ええてもらった。
それから4年。今度は初の五輪舞台に他10組の仲間と出場することになった。「みんなプロフェッショナル。自分の追い込み方が分かっているし、他の人のペースにもしっかりリスペクトがありながら練習している。普段からトップレベルを見てるので、びっくりすることもないですね。あとはトップレベルだけど、『やっぱり調子も悪い日もある、人間なんだ』と思えるから頑張れる」。頼もしく、敬意を持って、皆で競いある。
地元中国の代表である王詩〓(王ヘンに月)からは、勇気あるひと言をもらった思い出がある。欧米系が強い種目。「金髪の女性と比べてめちゃくちゃへこむ時があったんです。それを言ったら『私達はオリエンタルできれいでしょう』と。アジア系の自分たちには自分たちにしかだせないものがあると。うれしかったですね」。悩みも相談しあい、技術も高め合ってきた。
主流派が勝つのか、それとも-。いよいよ、美しき戦いが幕を開ける。
【五輪特別企画】小松原美里&尊組の出会いは? まさかのロストバゲージ!?>>
<アイス・アカデミー・モントリオールの出場選手>
<6>小松原美里、尊(倉敷FSC)
<10>ティナ・ガラベディアン、シモン・プル-=セネカル(アルメニア)
<11>王詩〓(王ヘンに月)、柳〓(森の木をそれぞれ金)宇(中国)
<12>ラジョワ・マージョリー、ラガ・ザッカリー(カナダ)
<13>ケイトリン・ホワイエクジャン=リュック・ベイカー(米国)
<14>オリビア・スマート、エイドリアン・ディアス(スペイン)
<15>ロランス・フルニエ・ボードリー、ニゴライ・サアアンスン組(カナダ)
<17>ライラ・フィアー、ルイス・ギブソン(英国)
<18>ガブリエラ・パパダキス、ギヨーム・シゼロン(フランス)
<20>マディソン・チョック、エバン・ベイツ(米国)
<23>マディソン・ハベル、ザカリー・ダナヒュー(米国)
※数字は滑走順