上位進出が期待された須貝龍(30=クレブ)が約1センチ差及ばず、1回戦敗退となった。

須貝は5組に登場し、トリスタン・タカツ(オーストリア)と並び2番手で同着。しかし写真判定の結果、指の関節1本分もないほどの差。目測で約1センチ及ばず3着となり、敗退が決まった。

「指の差、うーん悔しいですね。最後は手の長さで決まりましたね」。身長177センチの須貝よりも大柄なタカツに軍配が上がった。スタートから3番手だったが終盤に追い込み、逆転を狙った。「後半に巻き返せると思って滑りましたが」と言って唇をかんだ。

須貝はアルペンスキーで五輪出場を目指していたが、18年平昌五輪出場を逃したことで、スキークロスに転向。五輪で初採用された09-10年シーズン以降でW杯で日本勢初の表彰台に立つなど頭角を現している中で迎えた初めての五輪だった。ただ過度な緊張もなく、自分らしくレースに臨めたという。「ビッグイベントだからこそ得られたものが大きかった」と話し、結果は出なかったが充実感も漂わせた。

スキークロスは4人が同時に滑り、各組2位までが準々決勝へ進出。1回戦の組み合わせを決めるタイムレースの「シーディング」で須貝は3位につけ、メダルへの期待が高まっていた。