開会式で旗手も務めた郷亜里砂(34=イヨテツスピードクラブ)が13日、スピードスケート女子500メートルに出場した。故郷の北海道別海町ではパブリックビューイング(PV)が前日12日の男子500メートルに続いて行われた。

郷は18年平昌五輪で30歳での初五輪に「遅咲きのメダル候補」と呼ばれ、同種目で8位入賞。その後、リンクにあがる気力が出ず競技引退を表明した。所属の伊予鉄グループから後進指導を要請され小学生にスケートを教えるコーチに就任した。小学生の真っすぐな姿に触れ、スケート競技への気持ちが再び強くなり、19年に競技復帰した。

郷が小学校時代に所属していた別海ライジングスケート少年団の石川誠監督(60)は「子どもに教わることはいっぱいある。亜里砂もそこに気付いたんでしょう。いい顔だ」とPV会場で教え子の滑りを見守った。

郷の父季良(ときよし)さん(62)の経営する別海パークホテルの前にはスケートリンクがあって、3歳から滑っていた。季良さんは「旗手姿も見られた。亜里砂が満足できる滑りをしてもらえればいい」とPV会場で祈るように声援を送った。【寺沢卓】