ノルディックスキー複合団体で銅メダルを獲得した日本のメンバーが18日、一夜明けてメダリスト会見とメダルセレモニーに臨んだ。アンカーに抜てきされ、同種目28年ぶりのメダルに貢献した山本涼太(24=長野日野自動車)は、次回の26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪での金メダルを目標に掲げ、新たなスタートを誓った。

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銅メダルを手にした日本のメンバー4人で最年少の山本は、アンカーでの力走から一夜明けて「昨日はいいレースができて楽しかった」とまだ余韻に浸っていた。唯一の20代で、次世代のエースとして期待される。「出来る限りのことをして日本チーム盛り上げていけたら」と思い描いた。

後半距離(5キロ×4)では最終走者を任された。「すごくプレッシャーでした。4走になると思ってなかった」というサプライズの重大任務をやってのけた。渡部暁斗から2位でつながれ、ドイツ、オーストリアとの3チームでの激しい表彰台争いから、2位ドイツに0・3秒差でゴール。「先輩方を表彰台に上げたいというのがあったので。気持ちが先走っていた感じ」。意地のゴールだった。

荻原兄弟、渡部兄弟が卒業した複合の名門早大の出身。ただ、学生時代には実績がなく、就職先に苦労した。数社の不採用をへて、現所属先の長野日野自動車入りが決まった。早大の一戸剛監督が18年平昌五輪の現地で、極寒で冷えた体を温めようとカップラーメンをたまたま一緒に食べたのが同社につながる関係者だった。当時、同社にスキー部はなかったが、この縁で発足。山本は「拾ってくださらなければ競技を続けられなかった。感謝している」と話す。

若手のホープとして、4年後へ思いをはせる。北京での個人戦はノーマルヒル14位、ラージヒル12位に終わったが、初の五輪で注目度の高さや雰囲気を経験できた。目指すのは、個人の躍進だけでなく団体2連覇を達成した94年リレハンメル五輪以来の頂点だ。「今回取ったメダルよりいい色を目指す。また金メダルに向かっていきたい」と力強く言った。【保坂果那】