冬季五輪の日本女子最年少メダリストの誕生だ。

予選2位通過の村瀬心椛(ここも、17==ムラサキスポーツ)が銅メダルを獲得した。3回の試技うち高かった1、2回目の合計171・50点をマーク。17歳3カ月でのメダル獲得で、10年バンクーバー大会でフィギュアスケート銀の浅田真央(19歳5カ月)の記録を更新した。五輪初出場の高校2年生が歴史の1ページを刻んだ。

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村瀬が在籍する岐阜第一高スキー部顧問で、担任でもある安藤聡教諭(57)は、学校での村瀬の様子について、「コミュニケーション能力が高く、輪の中にすっと溶け込める」と話す。海外遠征などで通学する機会が少ない中でも、「校内の発表会では、クラスメートに教えてもらって2、3日でダンスをマスターしていた」。

同校スキー部を指導する大場順二さん(63)は村瀬の性格について「物おじしない性格で、ふてぶてしさがある。動じることや萎縮することがないのが、大舞台で力を発揮できる要因」と分析する。

大場さんがスキー部を指導して約40年。教え子の1人が、今大会でフリースタイル男子モーグルで銅メダルを獲得した堀島行真だ。筋力や持久力、心肺機能などの数値が高校生としてはトップクラスだった堀島と比べると、村瀬のフィジカルレベルはデータ的には決して高くないという。

「それにもかかわらずあれだけ活躍できるのは、数字では測れないバランス能力や、スノーボードに必要な技術が備わっているからでは」と話した。そのうえで、「今後フィジカルを強化していけば、さらにすごい選手になる可能性も秘めている」と期待を寄せた。【奥岡幹浩】