13年に新卒で福岡の放送局に入社して、ホークスを2年半ガッツリ取材しました。3番手の捕手の方がドームのライトがついていない時間に来て、体を動かしている陰の努力。チームに貢献できなかった選手も日本一になった時は明るい顔で、それが印象に残っています。

トップを走ってきた人が一番上にたどり着いた時に見える景色は違うんだ。じゃあスポーツ全般で見てどこを目指すんだろうと考えた時、五輪がその場所だと思いました。ホークスの日本一が、五輪を取材したいと思ったきっかけです。

東京に行けばより五輪に近づけると思い、16年にテレビ東京に中途入社しました。最初の仕事がリオ五輪の速報番組で、テンション上がりました(笑い)。浮かれながらも選手やメダル数を間違えないようにと身が引き締まりましたし、東京に来たんだと実感しました。

平昌五輪はキャスターとして現地に行き、メダル第1号の男子モーグル、原大智選手にインタビューができました。メダルの瞬間は(メインキャスターの)小泉孝太郎さんと「決まったね!」って、スタジオが拍手に沸く感じ。今その瞬間に立ち会えてるんだと。平昌の総集編番組で、次のVTRまで3分間つなぎましょうという場面、私が今まで勉強してきたことや見てきたことを生かしながらスタジオが展開していく時、すごく楽しくて。こういうことをしたくて私はここに来たんだと。私が楽しそうにフィギュアスケートを伝えているのを出会った初対面の人に「すごく興味が湧いたし、もっと早く魅力に気付いていればよかった」と言ってもらえて、伝わったと感じました。

25日にテレビ東京系とBSテレ東で放送する「第60回朝日新聞社杯 競輪祭G1」(午後8時)のキャスターを担当します。競輪はブノワ・コーチが招かれてから練習の質が変わって、格段にスピードが上がったんです。新田祐大選手だったり脇本雄太選手だったり、ワールドカップでメダルを取る選手も増えています。今は五輪出場に向けてポイントを重ねていく時期に入っていて、皆さんの五輪は始まっているんですね。

ソフトボールも卓球も、テレビ東京が育ててきた分野のスポーツ。取材をすると、五輪でメダルを取って人気を上げたいという選手の思いを感じます。私もそこに一役買えたらと思っています。東京五輪ではとにかくたくさんの現場に足を運びたい。福岡の頃からやってきた、選手を支える周辺の声もちゃんと聞いていきたいですね。

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