16年リオデジャネイロパラリンピック、18年平昌(ピョンチャン)五輪・パラリンピックの間に行きました。食の担当として、選手村の食堂を見るのが私のミッションでした。リオではブラジルの食事コーナーが設けられ、食文化の発信も印象的でしたが、フルーツが種類豊富で充実していたのが特徴的でした。マンゴーがおいしかったです。そこで働く皆さんは人懐こくて温かかった。平昌はサラダバーが充実していたのと、ビビンパがどんぶりにご飯だけ入っていて、トッピングは自分で選ぶスタイルで楽しかったですね。

東京オリンピック・パラリンピック選手村での提供食材は、(農産物の安全基準)GAP認証取得が義務付けられています。今は農業高校の生徒さんがたくさんGAP認証を取得されるなど、広がりができたことは誇り。自慢できるレガシーです。

以前は農水省で和食室長を務めました。ホストタウンの仕事も含め、コロナ禍前は各地に出張する機会がありました。普段は忙しくて食べ歩きをする時間はないのですが、出張先の土地の産物は食べようと自分にミッションを課していて。食べたいだけなんですけど(笑い)。鹿児島・奄美の鶏飯や沖縄に行った時の島豆腐、島野菜とか、素朴なものがおいしかったです。

東京大会の選手村の食堂ではコロナ対策でオペレーションに変更はありますが、メニューに変更はないと聞いています。黙食をお願いすることになりますが、出歩けない選手の皆さんに、日本の食材のすばらしさを体験してもらう機会。食事自体を楽しんでもらえる機会になればと思います。

ホストタウンの仕事もしています。コロナ禍で選手との直接交流が難しい中、食事は選手にとって、地域との接点になりうるもの。しっかりとおもてなしができるよう、準備していただいているところです。

コロナ禍でオンライン交流の可能性を確認できた1年でもありました。ドイツ代表選手、自治体さん、われわれで、ボッチャ大会をオンラインでやりました。相手がドイツ代表ですよ。コロナ前は考えられない交流の仕方です。交流していく中で、また会える機会はあると思う。今回は会えなくてもしっかりきずなを築いていただき、末永く交流していただきたいです。(350人目)