東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会は5日、パラリンピック観戦チケットの第2次抽選販売の結果を発表した。1月15日から29日まで抽選の申し込みを受け付け、2月18日に当選発表。3月2日に購入手続きを締め切った後の販売実績、傾向を公表した。

今回はチケット約77万枚を用意し、24万人から計237万枚の申し込みがあった。当選者は約10万人で、うち37万枚が実際に購入された枚数。1次抽選では約60万枚を売っており、合わせて97万枚と100万枚に迫る数字となった。

都内で取材に応じた鈴木秀紀マーケティング局次長は「当選者の約8割が実際に購入してくださった。特別、データを持っているわけではありませんが、業界内の数字で8割は高い方と認識しています」と一定の手応えを示した。

主に都内の学生が観戦するための「学校連携」チケットの申し込みは68万枚あり、現段階で計165万枚が売れたことになる。鈴木局次長は「ロンドンのパラリンピックが抽選終了時で約100万枚だったと聞いております」と、過去大会と比べても高い数字であると認識。抽選の申し込み枚数も「前回は300万枚を超え、今回も200万枚以上。特に前回はIPC(国際オリンピック委員会)の方も驚かれていた」と強調した。

一方で、まだ完売はしていない。招致段階では230万枚を用意することになっており、会場の整備状況等によって減ることもあるが、まだ70万枚ほど残っている。4月末からは先着順の窓口販売が行われ、5月中旬以降には公式サイトでのウェブ販売がスタート。まだ購入チャンスが残されている、とも言える状況に「どの競技、どのセッション、どの券種に空きがあるか分かるようにする」と力を込めた。

残チケットの傾向についても「競技の人気、不人気ではなく、開閉会式や、予選より決勝のメダルセッションに申し込みが集中した結果」と分析。「学校連携でたくさんの生徒さんがいらっしゃる昼間の陸上が多かったり、車いすの球技の決勝が人気だったり、第1次から大きくは変わっていない。いずれにしても各競技、ご用意した枚数よりも多い枚数を申し込んでいただいている。人気はある」と自信を見せつつ、目標の完売に向けた引き続きの購入を呼び掛けた。

新型コロナウイルス感染拡大の影響については「たくさんのお申し込みをいただき、うち8割の方に購入のお手続きをしていただいた。検証は必要ですが、現時点で特別、大きな影響があったとは考えていない」とし、今後の対面販売については「組織委として、新型コロナウイルス感染症に関する情報収集を行っていく。4月末の時点の状況を考慮しながら、適切な対応をしていきたい」と慎重に語るにとどめた。