性別問題で論議を呼びながら、パリ・オリンピック(五輪)ボクシング女子66キロ級で金メダルを獲得したイマネ・ヘリフ(25=アルジェリア)の母ナスリアさんが英メディアを通じ、娘への誹謗(ひぼう)中傷に対して怒りを示した。英デイリー・メール紙などによると、ナスリアさんは「私の子供は女の子。女子として育てられた、イマネは6歳の頃からスポーツが大好きな女の子」と怒りを抑えながら振り返った。家族としてヘリフを守り続けるとし「私はいつも彼女の味方です。彼女は国旗を尊びました。私たちの模範です」などと語ったという。
パリ大会2回戦で相手のカリニ(イタリア)が圧倒的な力の差を感じたのか開始46秒で棄権し「鼻に強い痛みを感じ、自分の命も守らなければならなかった」などと発言したことでヘリフの性別問題がクローズアップ。21年東京五輪にも出場していたが、昨年の世界選手権で性別適格性検査をクリアできず。男性のXY性染色体を持つ選手の女子競技出場を禁じる国際ボクシング連盟(IBA)の規定違反とされていた。
IBAはガバナンス面などを理由に統括団体の地位を剥奪されており、パリ五輪は国際オリンピック委員会(IOC)が競技を統括しているため、出場可能となっていた。
ヘリフの準決勝前日の5日にはIBAクレムレフ会長(ロシア)が会見し、ヘリフと林(台湾)のテストステロン値が高いとして「男性」と認定したと説明。一方、IOCは「女性として生まれ育っている」と突っぱねた。その後、実業家イーロン・マスク氏、米トランプ前大統領、映画「ハリー・ポッター」シリーズの原作者として知られる英作家のJ・K・ローリング氏らも巻き込む騒動に発展。ヘリフの弁護士が金メダル獲得後、SNSで誹謗(ひぼう)中傷を受けたとしてフランスの捜査当局に告訴状を提出したことも明らかになった。



