【パリ=木下淳】「令和の三四郎」村尾三四郎(23=JESグループ)が、初出場で金メダル目前としながら逆転負けを喫した。
前回21年東京五輪の王者ラシャ・ベカウリ(24=ジョージア)と対戦。先に大内刈りや内股で攻め、密着する相手を谷落としで倒して技ありを奪った。だが、2連続で技ありを奪われ、合わせ一本で敗れた。
村尾は途中、内股からの大外刈りを仕掛けたが、ポイントにはならない惜しい場面もあった。
同級では日本勢2大会ぶりのメダルとなる銀メダルを獲得した。
インタビューでは涙で言葉にならない状況が数十秒、続いた。
「本当に悔しいなという思いです。(ポイントで追いつかれて)どんな状況になっても、勝つ準備はしてきたので自信を持って戦ったが、なかなか自分の目指していた金メダルを取れなくて、内容どうこうよりも自分にとっては本当にきついもので、悔しさが残る」
準決勝では地元フランスのマキシムガエル・ヌゲアプアンブに圧勝。怪力相手に序盤は面食らったが、しっかり襟と袖を持って圧力を強める。2分10秒、小外刈りで技あり。3分33秒、大内刈りで技ありの合わせ一本勝ちを収めた。
初戦の2回戦はエストニア選手に開始44秒の大外刈り、準々決勝はUAE選手を下した。2分過ぎに投げて相手の背中あたりを畳につけ、場内ビジョンに1度は「IPPON」と表示されたが、ビデオ判定でポイントなしとされた。切り替えて、相手に3つ目の指導が出るまで攻めて攻めて反則勝ちした。
母親が米国出身。父親が授けた「三四郎」という名前は、柔道小説「姿三四郎」とは関係ないという。しかし「和の心」を重んじる人間に育ってほしい、との願いが込められた。本人も愛しており「今まで平成の三四郎(古賀稔彦さん)とか偉大な先輩方がいましたが、僕、最初から三四郎ですから」。23年の世界選手権で銅メダル。日本の有望株はこの悔しさをバネに、次こそ金メダルを獲得する。



