PLAYER

【アーティスティックスイミング】16歳の比嘉もえがAS史上最年少代表から日本の中心へ

アーティスティックスイミング（ＡＳ）で、日本史上最年少の14歳で世界選手権に出場してから約1年半。大阪・四天王寺高1年の16歳、比嘉もえ（井村ク）は日本の中心選手へと成長を遂げた。2月の世界選手権（ドーハ）には「パリ五輪に向かうぞという演技をジャッジに見せたい」との気概で臨み、チームは銀メダルで8大会連続出場を決めた。

父はプロ野球広島でプレーした寿光さんで、現代表の中で最も高い172センチの身長からダイナミックな脚技を繰り出す。初出場だった2022年の世界選手権では3つのメダルを獲得した。

昨年からは安永真白（井村ク）とデュエットを組み、7月に世界選手権（福岡市）のテクニカルルーティン（ＴＲ）で日本勢として22年ぶり世界一に。日本のＡＳで最年少の金メダリストになった。一方、秋の杭州アジア大会ではミスに涙を流すなど悔しさを味わい「収穫ばかりの１年だった」と多くの経験を得た。

筋力強化に励んだ成果で力強さが増し、チームの演技ではリフトの土台役など重要なポジションを任されるようになった。2季目を迎える安永とのコンビも「真白さんの考えていることが分かるようになってきたし、前よりも言いたいことを言いやすくなった」と連係を深めている。

日本はデュエットで既に五輪切符を手にしており、２月の世界選手権ではチームの出場枠を確保。真夏の祭典へ「自分たちができる最大の力を世界に見せたい」と決意を示した。