世界ランキング1位の高校生、安楽宙斗(そらと、17)が銀メダルを獲得した。200点満点(ボルダー100点、リード100点)で145・4点を記録した。優勝はトビー・ロバーツ(英国)で155・2点だった。
日本男子初メダル獲得の快挙となったが、試合直後は「3位以内に入れたことはとてもうれしいんですけど、やっぱり本当に金を狙ってボルダーから、準決勝から、集中してこなしてきたので。結構、今まで一生懸命やってきたんですけど、普通に悔しいです」と話した。それでも表彰式では最高の笑顔を見せてよろこんだ。
8人が挑んだ決勝、ボルダー(壁高さ4・5メートル)とリード(同15メートル)の合計点で争う複合種目。
ボルダーは4つの課題ごと(各25点)に4分以内の完登を目指す。その第1課題。準決勝を1位通過した安楽は最終8番目から登場すると、あっさり試技一発の“一撃”で完登。唯一満点となる25点を奪った。
第2課題も巧みなボディーバランスから残り6秒で最終ホールド(突起物)を攻略。連続完登で24・6点を追加し、合計49・6点とした。第3課題は力が求められる手前に飛び出す壁に挑んだ。いったん転落し、やり直し。再び挑んだが完登目前のところで失敗した。ここは9・9点に止まり、合計59・5点になった。
最終の第4課題。難度の高いセッティングの中でハイゾーンまでクリア。完登目前のところだったが、最後に指2本がうまくはまらず、転落となった。それでも9・8点を加算して69・3点でボルダーラウンドはトップに立った。
ただ金メダルを懸けた後半のリードラウンドでは思ったようなクライミングができなかった。安楽は最終8番目で挑んだ。「脱力系クライマー」は斜めに大きく反り立つ壁に向かい、序盤は力を使わず落ち着いた様子で登っていく。ミスが許されない中、60点のホールドを越えて勝負のゾーンへ。70点以上のホールドもクリアし2位に浮上したが、88点のホールドはクリアを前に転落。76・1点となり、あと一歩及ばず2位となった。
「去年の世界選手権より、今回はだいぶリラックスして臨めたんですけど。ちょっとまだわからないんですけど、ボルダーでの疲労の切り替えとか、だいぶ(リードの)途中のパートですごくグラグラして。もう、いつ落ちてもおかしくなくて。結構ダメダメな登りだったので。そうですね、リードはもう完敗ということですね」と振り返り、疲労からか、自分のクライミングができなかったと説明した。
それでも偉業であることに変わりはない。千葉・八千代高3年生。身長170センチと大柄ではないが手の長さを武器に、昨季はボルダー、リードの2種目でW杯史上初の年間王者に輝いた。その王者がパリでも躍動。前回の東京大会から始まった競技で、日本男子に初めての表彰台となる銀メダルをもたらした。



