【パリ=木下淳】セーヌ川の水質が問題になっていたトライアスロンの女子が予定通り始まり、日本から2大会連続出場の高橋侑子(32=相互物産)は2時間2分42秒の40位だった。
レースを終え「悔しかったっていう言葉では簡単なんですけど、やり切ったって言えるかな」と第一声。「そんなに気にならなかった、っていうのは正直なところですけど、たぶん私たち、本当にいろんな環境で泳いできていて、感覚がちょっと違うかなと思いますけど」と笑った。
延期については「男子選手はちょっと大変だったんじゃないかなっていう思いはありますけど、自分はしっかり朝4時に起きて、開催と分かって、しっかり準備してきました」と力強く話した。
トライアスロンを巡っては前夜から再び雨が降り、悪天候時にはスイム会場のセーヌ川に生活排水が流れ込む状況の中で、強行された。パリ五輪・パラリンピック組織委員会は早朝に「水質基準をクリアした」と発表していた。
前日は男子が延期になっていた。当地の30日午前8時(日本時間午後3時)に開催する予定だったが、この日の女子の後、午前10時45分(同午後5時45分)にスライド。セーヌ川の水質が基準をクリアできなかったため。開会式が行われた26日の強雨、翌27日も続いた降雨の影響で悪化していた。
その後は晴天も、水位が一時は普段の3倍まで増していた。組織委は競技開始の5時間半前、真夜中の午前3時30分から会議を行って延期を決定。組織委は「私たちのコントロールが及ばない気象現象は、水質を変化させる可能性がある。いくつかの地点ではまだ許容限度を超えていた」と説明していた。
水質悪化で101年前の1923年に遊泳禁止となったセーヌ川では、競技を巡って大会前から物議を醸していた。巨大な貯水池を設けるなど約2300億円をかけて大規模な水質改善策を講じてきたが、懸念は解消されていなかった。
開幕前の17日には、パリ市のイダルゴ市長が自ら川を泳いだ。安全性をアピールしていたが、首から下は濁って見えない状態で、降雨後の28、29日は公式練習すら中止になっていた。
プロ野球の阪神タイガースが優勝した際、ファンが飛び込むことで知られる大阪・道頓堀に比べ、大腸菌の濃度は平時で約4倍とされていた。
女子の後、延期になった男子もスタートした。



