【パリ=木下淳】スイム会場セーヌ川の水質問題が取り沙汰され、7月31日に男女の個人戦を終えたトライアスロンで、カナダのタイラー・ミスローチャック(29)がレース後に「計10回、吐いた」という。米紙ニューヨークポスト(電子版)が伝えた。

濁った川でのスイム1・5キロ、バイク40キロ、ラン10キロを終えたミスローチャックは1時間44分25秒で9位の成績を残した後、ゴールラインを越えたところで、いきなり吐いた。その瞬間が国際映像に映っている。

記事では「水の成分なのか、肉体的に過酷なスポーツの疲れなのか。レース終了時には、ひどい状態だったようだ」。続けて「29歳の彼は『合計10回、吐いた』と語った」とのコメントが紹介された。

水質悪化で101年前の1923年に遊泳禁止となった、スイム会場のセーヌ川では、巨大な貯水池を設けるなど約2300億円をかけて大規模な水質改善策を講じてきたが、男子は30日から急きょ延期に追い込まれた。

開幕前の17日には、パリ市のイダルゴ市長が自ら川を泳いで安全性をアピールしたが、首から下は濁って見えない状態だった。

レース当日、発着地アレクサンドル3世橋では異臭など感じられず、日本勢3人も「気にならなかった」と声をそろえていたが、前夜からの再びの雨で生活排水が流れ込み、水質が悪化していた可能性は否定できない。組織委は「水質基準をクリアした」と発表している。