【パリ4日=竹本穂乃加】 運命の決戦が始まる。世界ランキング6位のバレーボール男子日本は、1次リーグをぎりぎりの8位で通過。5日の準々決勝は、同2位のイタリアに決まった。鍵を握るのは、イタリアリーグ・セリエAで23-24年シーズンにプレーオフ進出を果たした石川祐希主将(28)、高橋藍(22)の2人。72年ミュンヘン大会以来52年ぶりの頂点を目指して、最初の難関に挑む。
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決戦の時が来た。「これからが大事」。負ければ終わりの一発勝負。エース石川は、強豪ぞろいの決勝トーナメント(T)に向けて、気持ちを高めていた。
五輪は、過酷な場所だった。1勝1敗で迎えた米国戦を1-3でしのいで1次リーグを突破。各組3位の3チーム中2番目というぎりぎりだった。石川が米国から奪った得点はわずか5で、唯一奪取した第3セットは大塚と交代してコート外。「みんな生き生きとのびのびとやれている」と俯瞰(ふかん)して見守ったが「パフォーマンスをしっかり出せば(トスを)上げてくれるところで出せなかった」と反省は尽きない。
イタリアは、よく知る相手だ。司令塔ジャネッリは石川が来季プレーするペルージャでチームメートになる選手だ。すでに9季を過ごし、多くの選手と、同僚としても対戦相手としても同じコートに立ってきた。
始まりの国でもある。14年、中大在学中に世界最高峰イタリアリーグ・セリエAのモデナに短期移籍。23-24年シーズンは所属するミラノ史上初のプレーオフ3位に貢献した。「イタリアのリーグで優勝してMVPを獲得する」。挑戦する背中を追って、日本からも海外へ飛び出す選手が増えていった。高橋藍もその1人。日体大在学中に「自分を強くする環境はイタリア」と決心。22歳で石川に続く頼もしい主軸になった。
勝てば、メダルマッチが確定する大一番。相手は16年リオデジャネイロ大会銀メダルの難敵だが、昨年のネーションズリーグでは、銅メダルをかけた試合で破っている。「メダルを目標に掲げている。(敗れた)米国よりももっと強いチームもいる。勝てる準備をしないと」と石川。高橋藍も「準々決勝で勝っていくために、まだまだギアを上げていく」。日本が飛躍するきっかけとなった国を打ち破って4強に進む。
○…イタリアは、16年リオデジャネイロ五輪で銀メダル、22年世界選手権優勝の実力国。1次リーグでは12チーム唯一の勝ち点「9」を挙げて決勝トーナメントに勝ち進んだ。自国に世界最高峰リーグのセリエAを持ち、選手層の厚さは世界トップクラス。「世界最高のセッター」の呼び声高いジャネッリを中心とした組織力の高いバレーを展開する。205センチの22歳OHミキエレットや、1次リーグ全体5位の54得点を記録したOPロマーノらが攻撃の軸を担う。日本は昨季のネーションズリーグ(VNL)3位決定戦で勝利も、東京五輪では1-3で敗れており、ここ一番での勝負強さは警戒だ。ただ日本にとって吉兆データがある。直接対決では21年6月のVNLから今年のVNLまで3○2→1●3を3度繰り返している。順番では、準々決勝は日本が3-2で勝つターンだ。



